2000.7.18号 06:00配信
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海洋科学技術センター(理事長:平野拓也)は、東京大学地震研究所との共同研究として、700キロメートルにおよぶ測線にそって海陸境界域深部構造探査を行います。この、大規模かつ高密度な深部構造探査は、昨年の四国沖南海トラフでの探査に次ぐ規模であり、この探査によって、これまで明らかにされなかった北海道東方沖周辺の地震発生域に至る深部構造を詳細に把握することができ、これまでの地震活動の評価ならびに地震発生過程の解明が期待されます。 本探査では、まず7月24日(月)に知床−根室にかけての陸域3カ所(根室市、斜里町、別海町)においてダイナマイト(300キログラム:2発破、100キログラム:1発破)による人口地震波を発生させ、陸上に展開した地震計70台と、センター所有の海洋調査船「かいこう」(2893トン)で千島海溝域ならびにオホーツク海域に設置した約50台の海底地震計により、海陸域で同時に観測する予定です。更に、7月25日(火)から31日(月)にかけては、「かいこう」搭載の大容量エアガン(約200リットル、140気圧)による音波(エアガン波形)を陸域と海域で同時に観測し、海陸境界域を含む大規模な深部構造探査を行う予定です。 今後は、得られた深部構造データを数値モデル化し、海底下深部構造フロンティア研究グループが開発を進めている地殻変動のシミュレーションを通じて、海溝域で起こる巨大地震のメカニズム解明や地震発生の長期予測モデルの構築を行う予定です。 |