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2003.4.17号 07:00配信


伊藤彰規展リポート

【文:写真 さくらうめこ】



作品

北網圏文化センターにて開催中の「伊藤彰規展」を見に行った。抽象画ということで、難しいとか分からないという思いが先行するものだが、実際に会場に出向いて作品を見てみると、パンフレットの絵からは想像できない感じるものがあり、十分に楽しみ親しめたというところである。

初期の具象画はどう見ても北海道の雪と思われる白い大地に生える木がモチーフとなっている。さみし気でもけなげでもあり。全作品を見終わって戻った時に、それらの木々が一瞬水墨画のように見えたのには驚いた。味わい深い作品の数々であった。

後半の抽象画も、間近に見て回るととても良かった。何を表しているのかと考えると分からと言うしかないが、自分なりの感じ方で接してゆけば、それなりに訴えてくるものや感じるものがあり、これが好きあれがいいなどと勝手に評価しながら見て回るのもおもしろいものである。

全部で88点、大きさも色々、表現も様々。でもなんというか、共通して色や形だけでないもの。質感というか量感というか、そんなものを見る楽しさがあったように思う。

19日(土)の1時からはワークショップもあり、彼の技法を学び小作品を一緒に製作することができる。それはとても魅力であり、また来なくてはと思わされた。最終日の20日(日)1時からは彼の絵についての話しも聞けるということであり、夜には場所を変えて頒布会も催される。

彼、伊藤彰規氏は飄々とした風貌で細長い全身にやさしさをいっぱいに漂わせ、毎日会場に詰めているので是非足を運び、彼の作品と彼自身にお会いいただきたいと思っている。

伊藤彰規氏、あきのりくん。実は高校時代の同級生である。とは言え、いつも絵の具に汚れた白衣をひるがえした姿を思い出すだけであるが、物心ついた時からとにかく描くことが好きで、中学生の頃は馬の絵を描き続けたという。高校卒業後は多摩美に進み、現在は養護学校の美術教師である。好きな道をひたすら歩み続けた者の重みを感じる。「子ども達、かわいいよ。」と言うその顔が実にやさしげ。人を決していやな気持ちにさせない人物。パリに行っても街角のフランスっ子をあのやさしいまなざしで見つめるのだろうか。一段と大きくなってまたいい作品を描き続けてほしいと心から願う。

作品は写真ではとうていその良さを表せないので、どうか会場に出向いて実際にご覧下さい。ワークショップの見本的作品だけカメラに納めましたのでご参考までにどうぞ。

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