一口にフィルターと言っても使う用途によって膨大な種類とサイズがあります。また販売しているメーカーも数社あるのでそれら全てを説明はできません。大まかに日常使用するであろうフィルターで私が知っている物について説明いたします。
フィルターの材質
フィルターの材質は大きく分けて3種類あります。硝子でできた物と光学プラスティックでできた物、セロファンの様に曲がる物があります。
硝子と光学プラスティックは丸い形でレンズの先端にねじ込んで使用する物と、フィルターを装着する部品を付けて先端に又は中間に付ける四角い物があります。柔らかいフィルターはほとんど四角で使用するサイズに切断して使用します。柔らかいのでフィルターをマウントする為に紙などにはさんで使用します。
フィルターの用途
用途は白黒用とカラー用、レンズを保護する物、表現を変える物(再現する色を意図的に変える場合と、眼で見たときと同じように表現する場合、見えづらい部分を見やすくする場合)があります。
フィルターを使用する場合
基本的にフィルターは何枚も重ねて使用することはありません。重ねるほど暗くなり、シャープな写真は望めません。あえてぼかす場合は、この限りではありません。いずれにしても、どんな写真が撮りたいのかを、充分考えて使用してください。自分が表現したい状況をいかに少ない数のフィルターで表現するかです。特にカラーフィルターはそれに当たります。
人間の眼は良く言えば精密にできていて、眼で見た物を脳で補正します。蛍光灯の下で写真を撮影した場合グリーンの色が全体にかぶります。しかし人間の眼にはその様には見えません。
同じように、水銀灯、キセノン燈、も同様です。タングステン光(電球)は多少赤く見えます。写真にすると、より赤く写ります。これらの場合は全て色補正するフィルターを使用して写真にして自然に見えるようにします。
プロテクタフィルター
これは、フィルターに色はついていません。レンズを保護するために装着するフィルターで透過率を極力100%に近づけた高価なフィルターもあります。一般的には『スカイライトフィルター』を使用します。風景を撮影する場合遠景が青みがかって写るのを補正するフィルターで、薄いマゼンタ色が付いています。
PLフィルター
PL(偏光)フィルターは光の表面反射を除去するフィルターです。水面やウインドガラスなどの『反射除去効果』と、青空や樹葉、山肌、建物などの色彩をあざやかにする『色彩コントラスト効果』が得られます。
日常私達は色々な光に曝されています。一つの物体から反射して見える光は、色々なところに反射しながら私達の眼に届きます。これにより余分な光と混ざり合い鮮やかさに欠ける写真になる原因の一つです。
PLフィルターによって余分な光をカットすることにより、眼で確認できない物が写る理由です。一眼レフカメラにフィルターを装着してファインダーで写る状況を確認することができます。
フィルターは先に書きましたように、沢山の種類があります。写真店に行きフィルターのカタログがありますので、確認して頂ければ知らなかった世界が見えてくると思います。是非カタログ参照の上、お店の方と相談しながらすばらしい写真の世界をお楽しみください。
尚、フィルターのことを詳しく書いてある本が書店で販売しています。
『ポイント発見!!これがフィルターだ』
A5判 160ページ 1890円(税込み)
著者 堀江 勉 (株)ケンコー営業企画宣伝課課長
発行元:(株)日本写真企画
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