2000.9.9号 06:00配信


webnews対談

第4回 [ネパール掲示板のシスオペ まにしゃさん]

ハルの百面相トーク、前回の対談からちょっと空いてしまいましたが、今回は、ネパールの学校に鉛筆や消しゴム、ノート、衣服などを集め個人的に送り続けているまにしゃにお話を伺います。まにしゃは、「ネパールの掲示板」と「誰でもできる国際ボランティア」のシスオペです。

◎ここが知りたいネパールの掲示板
http://www.webnews.gr.jp/CgiBin/bbs-nepal.cgi
◎だれでもできる国際ボランティア
http://www.webnews.gr.jp/nakatsuka/nepal_index.html

岡:岡島  ま:まにしゃ


ボランティアには興味があったんですか?


興味はとてもありました。
特に、イベントボランティアは熱心にやっていました。例えば、広島アジア大会、福岡ユニバーシアード、ろうあ者体育大会。手話サークルに入っていましたので、その関係の行事にはあれこれ参加しましたよ。


基本的に、好きなんですね。


普通では会話の通じない人と、四苦八苦しながら喋るのは面白いです。


ネパールへは点字の本を作るために行ったそうですが。


それについては、あまり威張れませんね。点字がすらすら打てる訳でもありませんし。仕事内容もよく分からないまま行きましたので、役に立ったかどうかは、ちょっと不安です。


点字本を作るための設備は?


機械は、ヘレンケラー協会からの支給です。


印刷とは違って、一冊一冊手作りすると思うのですが。


そうですね。紙を折って、原版を挟んでプレスして、のりはり。プレスして、のりはり。その繰り返し。製本はちょっとコツが必要ですが、誰でも出来る簡単なお仕事です。コンピュータ印刷機もありましたが、私が滞在中は、ずっと壊れていましたね、あれ。


作業の時間割などは?


昼休憩は決まっていましたが、そこはのんびりネパール。いつでも休んでOKでした。


どうしてネパールだったんですか?


どうしてでしょう。今もって不思議です。その時たまたま、ネパールの方と知り合う機会があり、楽しいお話を沢山聞いたからでしょうか。日本から見ると摩訶不思議風な所に、興味が沸いたのかも知れません。


まにしゃをネパールに派遣したのは「東京ヘレンケラー協会」ですよね。どうしてこの協会を知ったのでしょうか?


海外ボランティアガイド(ダイヤモンド社)で知りました。今は募集していないので、私が最後の派遣ボランティアです。


東京ヘレンケラー協会は、主にどういうことをしている組織なのですか?


主な事業は5つ。あんまや針の学校、点字出版、点字図書館、福祉用具販売、そして海外援護事業。海外事業では、点字教科書の製作・配布を中心に、視覚障害児教育の推進、農村地域でのリハビリを行っています。


先日、この協会のねっこさんが掲示板に登場してくれていましたね。


ふふ。ねっこさん、ちょっと緊張した面持ちでしたが、楽しかったですね。


「ゲスト」をお招きして、掲示板でお話を伺うのはおもしろい企画でした。今後もやっていただけるのでしょうか?


機会があれば、またやりたいです。


まにしゃの紹介で、ネパールのホームナットさんからメールを頂いたことがありましたが。


そうそう。彼は盲人福祉協会の事務局長を勤める傍ら、学校運営も行っている、スーパー管理者です。でも普段は、親バカで楽しい方ですよ。


ホームナットさんなんか登場していただくとおもしろそうですね。


それがですね、あちらのパソコンはメール機能だけで、ネットへは繋げないらしいのです。ホームナットさんは、いつか日本へいらっしゃるかもしれないので、その時にお願いしてみましょう。乞ご期待です。


そういえば、フォント環境が違うためムリでした。ボランティア以外でも海外に行ったそうですが、どこですか?


ロシアとベトナムと韓国です。


マニアック(?)な感じがしますが、おもしろかったのは?


ベトナムです。ハノイに友達がいたから、押しかけて行って、豪遊しました。水上人形劇を見たり、海水浴をしたり、お祭りに行ったり、楽しかった〜。


危険な目にあったことは?


私が悪いのですが、とある野外パーティに紛れ込んでいたら、薄暗くなって酔っ払いにからまれたんですよ。4人の男の人に、無理やり人影のない所へ連れて行かれて、ちょっと触られて怖かったです。ぎゃーぎゃー騒いだので、無事に帰してもらえましたが。


かなりやばいですね、それ。
ところで、どれくらいの期間ネパールに滞在していたのですか?


約5ヶ月です。H11年の12月から翌年の4月まで。雨季を避けての滞在だったので、毎日お天気で良かったです。


日本は、四季がはっきりしていますけど、ネパールはいかが?


山地は寒いですが、カトマンドゥは気温変化がゆるやかだから、過ごしやすいはずですよ。


滞在中、困ったことはありましたか?


お風呂が水風呂だったことが困りました。ソーラー湯沸しがあったのですが、ほとんど使えませんでした。冬はちょっときつかったです。夏は夏で水不足だったし。水質も悪くて、たま〜に茶色の水が出てきていました。水には悩まされましたね。


日本の便利さと、水の大切さを再認識したわけですね。


日本は、本当に素晴らしい。だって、水道の水が飲めるんですよ。滅多にないぞ、そんな国。


どうしても慣れなかったことなんてありますか?


ハエの大群とゴキブリ。道端にゴミが山と捨ててあるからでしょうか。食べ物屋のテーブルには、ハエが集り放題でした。まあ、ハエは少々我慢できますが、ゴキブリは!めちゃでかいのが飛んで出てきた時は、きゃーきゃー逃げまくりましたよ〜。


ネパールの素敵なとこを教えてください。


街の向こうに見える雪山と、春に咲く菜の花畑。青い空と深い緑に囲まれた、豊かな自然は最高♪


ネパールって、人口はどれくらい?


2,100万人くらいかな。今もどんどん増えているはずです。過剰な人口増加に伴い、せっかくの自然が破壊されないか心配です。


ネパールでは、「環境」という教科があるそうですが、何を感じましたか?


その部分だけを、一つの教科に取り上げているのがすごい。それだけ関心があるってことですよね。特にカトマンドゥでは、ゴミ問題や排気ガス問題があるから、身近な問題として真剣に考えるのでしょう。それに比べると、日本は机上の空論的な学習ばかりだなぁと感じました。


ネパールの食べ物はどうでした?


美味しかったですよ。豆の種類が多い以外は、食材は日本とあまり変わらないのに、料理法や味付けが全然違う。なんでもかんでも圧力鍋を使うし、油や塩をどっさり入れる。甘い辛いがはっきりした料理が多く、舌がピリピリ鍛えられました。


これは「うまい」というのを教えてください。


蒸し餃子。豚肉、鶏肉、水牛肉と、中味はよりどりみどり。蒸し器を開けた時の、湯気と香りが食欲をそそって、いくつでも入る美味しさ。どこで食べても当たりハズレがなく、あっさりしていて、グッドです。


日本には「梅干し」「納豆」なんて、独特なものがありますが、ネパールはいかが?これらに相当するような食べ物はありますか?


え〜何でしょう。竹の子の酢の物とか?豆スープなんて、日本で言うお味噌汁じゃないでしょうか。


主食は?


お米です。タイ米みたいなパサパサしたお米を、アルミのトレイに山盛りにして食べます。日本のお米より軽いから、結構沢山食べれるんですよ。


ホームナットさんのお宅にホームステイでしたっけ?


いえ、ご近所のお寺にいたことはありますが、ずっといたのは、ペンションサクラの裏庭の家です。


サクラとは、日本的な名前ですね。
ところで、まにしゃは料理はするんですか?


ぎくっ。ネパールでは自炊をしていましたが、今は全然。ぐうたらです。


そんなことはないと思いますが、
あと、ネパールの優れているところを教えてください。


英語教育。ネパールでは、小学校から英語が始まり、英会話学習が盛んです。カトマンドゥでは、外国人と出会う機会も多いため、みんな上手。子供達は英会話慣れしているので、物怖じしないで話かけてきましたよ、ペラペラと。こっちはタジタジでした。


じゃ、会話は英語ばっかり?


事務所では大体英語でしたけど、ネパール語や日本語も使いましたよ。


日本語を話せる人もいるのですか?


それがね、沢山いるんです。びっくりでしょ。日本語学校も見かけました。日本は、「豊かな国」だというイメージがありますから。日本語を勉強して日本へ行きたいと憧れている人は多いです。


ネパールは、「貧しい国」という印象がどうしてもあるけど、実際に行って、生活してみてどうでしたか?


日本と同じ生活を望むなら、ネパールは「貧しい国」でしょう。物も店も施設も乏しいから。でも、彼等は工夫して楽しく生活していましたし、私もTVや車がなくても気になりませんでした。物が貧しくても、心豊かに暮らせるんだなと、実感しました。


援助ということに関して、まにしゃなりの考えがあったら聞かせてください。


援助にも色々ありますよね。本当は、彼等の自立を手助けする援助が一番いいのだろうけど、この話は長くなるので、またコーナーで。。今私が行っている活動は、肩肘はらずにのんびりやっていきたいです。学校長のホームナットさんは友人だから、私の負担になることは望んでいないはず。「援助してるんだぞ」と威張りたくもないし、日本人の考える援助を押しつけたくもない。彼等の望む事と、私達の出来る事が重なれば、いいのではないでしょうか。


webnewsに出会ったきっかけは?


本当に偶然なんです。学校の話をしたくて掲示板を探していたら、ボランティアの掲示板に行き着いた。なんとなく、書きこんでみたら、岡島さんから返事が来て驚いた。よくあるきっかけです。


掲示板やコーナーを「やってみよう」と決心した理由は?


それは、岡島さんが口説き上手だったから。(笑) いえいえ、本当に。岡島さんの口振りから、Webnewsは信頼出きるサイトだと思ったので。


すみません、よく使う手なんです。(笑)
まにしゃは、webnewsの掲示板に書くときと、他のサイトの掲示板とは文体がまったく違いますね。見ましたよ。


ぎょぎょ。やばい!バレているのですね。


メールをやりとりする友達なんて、できましたか?


ぼちぼちです。


まにしゃは、チャットってあまりしないようですが。


たまに覗く時もありますよ。でも、いつも「ばいば〜い」の言葉が残っているだけ。誰とも会えないので、やりたくても出来ないんですよ。(涙)


実際に、webnewsに参加してみて何か変わったことはありますか?


ネパールでぼや〜っと抱いていた思いが、具体的に文章に書いてみて、はっきりした考えに変わりました。日本の矛盾、ネパールの問題。自分がいかにネパールで、のほほんと生活をしていたかにも、気づきました。


まにしゃにとってwebnewsはどうですか。楽しいですか?


楽しいですよ〜。色々な人の色々な意見が聞けるので、参考になります。それに、私は広島の人間だから、オホーツク話なんてWebnewsに参加しなければ聞けない。遠かった場所が近くに感じれて、嬉しいです。


webnewsを今後どのように活用していきたいですか?


ネパールに関しては、援助話から交流話に話をもって行きたいです。現在、交流を希望されている人からの問い合わせは幾つかあるので、これを上手くつなげて行きたい。将来、学校同士の交流にまで発展していけば、嬉しいな。


特に訴えたいえたいことってありますか?


私達が思っている以上に、ネパールの人は日本に興味を持っています。日本製品の人気も高いし、日本人の誠実さや勤勉さは尊敬されています。「うちら、結構見られてるよ。もっとしっかりしよう。」と言いたいです。これについては、私も気を付けなければいけませんね。


まにしゃの趣味は?


今は仕事です。もう、面白くってしょうがない。めっちゃ頑張ってます。それから、暇になったらまた手話を始めたいですね。


それじゃ最後に、webnewsへの要望があれば教えてください。


要望ですか。それでは是非、全国展開を。そして、西日本でオフ会を開いてほしいです。


本日はありがとうございました。

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