2001.7.2号 07:00配信
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大草原からのぷちメッセージ

赤いのがお好き?

(by いくちん)


ここに嫁ぐ前まで、自分の知識の中にあった事。『牛は赤い色に敏感』いつ、誰から聞いたのかは忘れましたが、幼少の頃から、そう聞いていました。この事を思ってかどうか、当初の私の作業服は、青や緑の地味な色ばかり。しかし近所のおばさんの着ているものを見ると、赤地に花柄の模様が付いた派手なヤッケ。「アララ?牛に襲われないのかしらん?」といつも思っていたのですが、ある日、家人に聞いてみました。そして私は、衝撃的な事実を耳にするの事になるのです。

闘牛の場合は、確かに”赤”を見ると闘争心が湧くらしいんだけど、その他(乳牛や肉牛)に関しては、その限りではないらしい。それどころか、それらは医学的な見解からすると、色の識別は不能らしいのです。つまり、これらの牛には『色』を理解できず、全て『白黒』に見えるという事です。この事実を知ってから、私の作業服は若々しい(?)赤のオーバーオールに変わりました。

目の事について、もう少しお話ししましょう。
ヒトの場合、目が悪くなると、眼鏡をかけたりコンタクトを付けたり。色々対処できるのですが、このような対処法の出来ない彼女達は、どうするのでしょう?本来、180度の角度まで見えると言われている牛は、目が見えなくなると、より遠くまで見ようと、それに集中し、その目はどんどん飛び出してきます。いわゆる『デメキン』のように!当牧場にも、『デメキン』と呼ばれている牛が一頭いるのですが、彼女は私が側に行くと、やや近くまで行ってからビクっとしたように下がります。餌をやる時も飼槽に餌を給して、その匂いを嗅いでから食べ始めるという有様。目の飛び出しぐあいから、目が良いか悪いかが分かります。

ちなみに、目が飛び出すのとは逆で、体調の悪い牛は、目がぐっと引っ込み耳がくたーっと垂れるという症状を見せます。また、危険などを感知すると、黒目を大きく見開いて守りの体制をします。このように、彼女達の異常は、ほとんど顔(目や耳)で知る事が出来るのです。私達は、いつでも彼女達の顔つきを良く観察し、早期に異常を発見・処置しなければならないのです。


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