2002.6.7号 06:00配信


大草原からのぷちメッセージ

ルールのない野球

(by いくちん)


最近、日が長くなってきた事もあり、6時近くまで外で遊んでいる子ども達。近所の空地に響く子ども達の笑い声に誘われるように野球の仲間入りをさせてもらいました。これがまた普通の野球ではないのです。

この辺りは国道が通っており、道路拡張や企業の資材置き場などにより、子ども達の遊び場が年々なくなってきています。更に子ども人口が減少し、小学校は一クラスが5人前後という状況なのです。放課後、指定された空き地で遊んでいる様子を伺っていると実に愉しい。自転車に乗ってる低学年の子の後を、大きな子がハラハラしながら付いて走ったり、1年生と6年生がキャッチボールをしている姿などは、「でこぼこコンビ」といった具合で何かこっけいです。

さて先に書いた野球ですが、一応“試合”をしているのですが、どう見回してみても6人しか居ないのです。私の記憶では野球は一チーム9人だったはず・・「良いの。良いの。おばさん守備に入って!」と言われ、ピッチャーの後ろへー。運良く打ったバッターが2人ほど塁に出ると、守りは1人になってしまいます。スポーツ万能の男の子が、スライダーだのストレートだの意気込んでみても、バッターボックスでは、ちっちゃな女の子が草をむしって遊んでるのです。ベースの目印はなく、ピッチャーが段々近くなったり遠くなったり。「ねぇ、これ野球?ルールは?勝敗はどうやって決めるの?」と聞いてみると、相変わらず「良いの。良いの。」「泣いた奴が負け!」と一言。これには、おばさんも降参。ちょっとだけ、子どもの世界を見たような気分でした。

雨がポツポツ降り出して、「うわぁ〜雨だぁ〜帰ろう!」と叫ぶ私をよそに、「大丈夫、大丈夫。あの黒い雲がいったら晴れるから!」自然の原理を知っている子ども達。確かにポツポツ雨は、芝生の表面を濡らし3分で止みました。何が起きても“ケセラセラ〜”の子ども達。土手を登ったら目の前は国道、事故には十分注意して遊んで欲しいものです。帰り際「おばさん!また遊ぼうね!」と誘われ、「おぉ〜」と手を振る私でした。




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