2001.5.5号 07:00配信


めっちゃ田舎のお菓子屋さんの独り言


by 高砂屋菓子舗の渡邊

◆「地場産の素材を使って・・・」
この道に入って、やはり最高の原料を使いたいというのは菓子屋にとらわれず、食品を製造・加工する者にとっては、望むことだと思います。まー、菓子屋でしたらまず牛乳・チーズ・バター等の乳加工品ですね。それから、苺などの果実類、そして小麦粉や砂糖もそうです。なぜ地場産品かというと・・・その産物を作ってる畑とか牧場を自分の目で見て触れることが出来るからではないか?と思います。どんなところでどんな風に自分のお菓子になる原料が作られているのか・・・やはり気になるところです。

管内に「オホーツク圏地域食品加工技術センター」という道立の施設があるのですがそこは、前にも書いたように「移動食品加工センター」からのお付き合いがあって、ゼリーの製品向上などで、いろいろ問い合わせていたのですが・・・。そうですねー・・・もう3年くらい前でしょうか。そのセンターの一人の研究員さんが自分のところに1本の電話をしてきたのです。その内容は・・・「渡邊さん、自分タマネギのジャムを作ったのですが、これお菓子に使えませんかねえ・・・」という電話でした。
果物とかなら話も判るのですが、「え!タマネギですかあ?」ってな感じで、はて?お菓子に使えるのか?また、なんちゅーこと言ってくる研究員だ?と思いました。で、後日そのジャムを持って自分のところにその研究員さんが来たわけですが・・・

そのタマネギジャムのサンプルの蓋を開けてみると・・・なんとも刺激的な香りが・・・
思わず「うっ!目に来る・・・」というほどの刺激臭でした。その研究員さんは、タマネギをテーマにして研究をされているそうで、なんとかこの地場産のタマネギを使ってなにか加工食品が作れないだろうかと思っていたのです。味は、甘くて・・・苦い!!タマネギそのものに砂糖入れて煮たって感じでした(笑)

さて・・・サンプルは受け取ったがいったいどんなお菓子が合うんだろ?とずーっと考えていたのですが、ふとチョコレートと合わせてみようかな?と思い早速レシピを作って試作してみたのです。なぜチョコレートか?というと、チョコレートぐらい特長があればタマネギの特徴と上手く馴染むのでは?と思ったのです。しかーし・・・安直でしたね(笑)お互いが主張してしまって、いやはやなんとも妙な味になってしまったのです。簡単にいうと、チョコレート菓子のはずが・・・ミートパイだな、こりゃって感じでした(笑)


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