2001.9.7号 07:00配信


熊オヤジの「秋の道東 露天風呂巡り10番勝負!」



9月。めっきり秋らしくなってきましたね。
今年は山の稔りもさっぱり。ならば畑のビートをいただこうと山から下りた弟分の熊三郎も人間に捕まってしまい、鉄砲でドン!(8月13日永眠)大変な夏でした。やはり、熊は熊、人間は人間の棲み分けが必要ですね・・・

いいことのなかった今夏でしたが、傷心の熊オヤジは、お疲れ気味の友、webnews某地区支局長ととともに2泊3日で道東の秘境秘湯露天風呂ツアーにでかけてきました。温泉に浸りきった我が身は、心身共にリフレッシュどころか、すっかりふやけてしまいました。ハイ。

【お断り】
掲載画像の一部に公序良俗に反するお見苦しい画像もありますが、ご容赦のほどを・・・
それでは、どうぞ!
9月3日早朝、我が家のある金華峠を出発。一路、知床へ・・
写真(上)は知床峠付近から斜里町ウトロ地区のオホーツク海を撮影。いい天気!最初に向かったのは、すっかり有名になってしまったカムイワッカの湯。

10数年ぶりに訪れたカムイワッカの湯は、もう立派な観光地。知床五湖へ向かう道から砂利道を13km進むとワッカの滝。そこには車、バイク、自転車の山。滝を登るカラフルな格好の老若男女、素足で滝を登る者あり、スカート姿で登る者あり、危険きわまりない姿は危ない危ない。こんなに人がいては・・・秘境も秘湯もあったもんじゃありませんね。

で、やっと滝壺についたのですが、なんと、この露天風呂に水着で入る不届き者が・・・
信じられませんね。風呂はハダカでしょ、裸!ま、観光地だからしかたがないか。

これが正しい露天風呂の入り方。すっぽんぽんで滝に打たれる友人の某地区支局長。周りで見ていた観光客は目がテン、唖然! ハダカで風呂ハイってどこが悪いんじゃ!

この日の宿は、岩尾別温泉の裏にある「木下小屋」。ここは、羅臼岳の登山者が泊まる山小屋で、しっかり露天風呂が二つあるのだ。電気などなく、夜6時にはランプを灯し、管理人さんと部屋の壁に飾ってあったサムエル・ウルマンの詩で「青春」談義。満天の星空と静寂の中、湯の中で呟く・・・
「希望のある限り人は若く失望とともに老い朽ちる・・年を重ねただけでは人は老いない、理想を失うとき初めて老いがくる」いい詩だ・・・

明けて4日早朝、立派な岩尾別温泉の前にある露天風呂「三段の湯」に入り、羅臼町へ出発。

道中では熊オヤジ一行が来るというので、鹿もご挨拶に来ていました。ま、この辺はサファリパークみたいなもので熊、鹿、狐、ゴロゴロいましたね。さて一行は知床峠のふもとにある「熊ノ湯」に入り、国道335号を北上してセセキ温泉へ・・・

海の中にあるセセキ温泉は、満潮時は海没してしまいます。今時期は干潮がはじまる9時ころからでないと入れないそう。この露天風呂の管理人さんは漁師さんで、早朝、漁が終わってから我らのために風呂掃除。やっと入浴できるのだ。ありがたい・・・

波しぶきに打たれ、しょっぱい温泉に浸り、間近に望む国後島を眺めつつ・・・
「だれだこの青い海に国境を引いたやつは」

次に向かったのはその先にある相泊温泉。途中にあった「熊の岩」は妙にリアルな岩でした。知床半島のサキッポにある羅臼町の相泊温泉は、超アツカッタ!!
昼食は羅臼町道の駅で。漁協直産の海鮮酢飯(400円)はゲキウマ!

腹一杯になって国道を一気に南下して、次は秘湯中の秘湯「薫別温泉」へ。国道から薫別川沿いを10数キロ上り、林道の中をくねくね走りるが迷う。どこだ?途中、大阪から来たというライダーとばったりあって合流、やっと到着。

ここの温泉は、昔、営林署の人が見つけたらしく、岩を発破でくり抜いて湯壺を作ったそう。なかなか風情があっていいのだが、薫別川の急な傾斜の崖の途中にあるため、入るまでが一苦労。

足を滑らすと冷たい薫別川にドボンなのだ。
ロープを使って慎重に下りる!お尻が見えてちょっとゴメン!

川の水をロープの先につけたバケツで引っ張りあげ、熱い湯を薄めてやっと入浴。夏だったら、5m下の川に飛び込んで水遊びができそうでした。

この後中標津の開陽台に立ち寄り、養老牛温泉の奥にある露天風呂「カラマツの湯」へ。
ここも川のすぐそばにある露天風呂で、無色透明、土地の人と温泉談義。
この風呂でなんか忘れてるなぁと考えていたら、そうだ!、「川北温泉」に入るを忘れてた!!
開陽台のそばにあるこの温泉は地元の愛好家の方々が元旅館の風呂を管理しているそうで、乳白色の露天なのだが、残念無念。湯あたりしそうなのをがまんして、宿泊先の阿寒湖へ。もちろん、ここでも宿の露天に入浴。何個目だ、これで!?7つか8つかな?

次の日は、足寄町の「オンネトー」にある露天風呂へ。初めて入浴料を支払う!「島田温泉」に入ってから芽登の坂をのぼり、上士幌町へ・・・管野温泉へ行こうかどうか迷ったのですが、何度もいっているので、今回は中止。糠平から然別をぬけ、幌加温泉へ・・・

国道273号から1kmあまり入ったところにある幌加温泉の露天風呂は、岩風呂。藻がたまっており、掃除をしてから入るか・・・と湯を汲みだしていると・・・

ゲゲッ!!先に入浴客が・・・蛇だ!ワッ!さらにトカゲの小さくしたカナチョロもいるではないか!「ここに入るのはやめた方がいいよ・・」「そうすっかぁ・・」

秘湯10番勝負の最後は、今回の露天風呂ツアーの最大の目的地である「岩間温泉」どこにあるかというと、ここの入り口は、看板もなにもないためとてもわかりにくい場所。
十勝三又の石狩岳登山口からさらに林道を3kmほど走った山の中。巨大な柱にスプレーで「岩間温泉」「→300m先」とある。川の中をコイで歩くこと5分。川にかかってある丸太橋を渡りやっと到着。

これぞ秘境の温泉!
川沿の小高いところに石を組んで作られたこの温泉は、乳白色の硫黄泉。源泉は50度以上。先客の神戸市から来たという温泉ファンの方は、ここが大のお気に入り。親切な人で、バケツで川から(スッポンポンで)水を汲んできて薄めてくれました。この温泉は、浮き世を忘れるには最高の温泉だそうで、北海道の露天風呂のベスト3には入るそう。半日、ハダカで浸かりっはなし。大雪山系の山並みと小川のせせらぎだけ。なんともいえぬ開放感、もう・・・ここ最高!!!!

熊の硬肌も温泉ですっかり柔肌に・・・某支局長も温泉効果で元気回復。全走行距離960km。入った温泉の数は10。

身近なところにこんな素敵な温泉がたくさん!いやぁ北海道はすばらしい!!

ここで一句 
「傷心に浸みいる地の湯は秋深まり」

秋、みなさんもハダカになって露天風呂へどうぞ!


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