2002.10.7号 06:00配信
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美幌在住のS |
エピローグのつもりが、「カリオストロの城」を書いていないことに気づき、あわてて書くことに。しかし「カリオストロの城」は長い。そこで、何週になるかわかりませんが、小分けにしてお送りいたします。最後までお付き合いくださいね。 番外編「カリオストロの城」その8 ・地獄に落ちるルパン。 柱のから影どもが現れ、クラリスをさらう。 「泥棒さんっ!」 「こらッ!ご婦人はもっと丁重に扱え!」 さっと影が左右に開き、その間から伯爵登場。 「わざわざ指輪を届けてくれてありがとう、ルパン君。」 「盛大なお出迎え痛み入るぜ、伯爵」 「早速だが、君には消えてもらおう。」 「さぁて、そう簡単に消せるかなぁ?」 クラリス必至に影どもから逃れようとし、 「やめて、その人を傷つけてはいけません。」 「大丈夫お嬢さん。泥棒の力を信じなきゃぁ。」 影がルパンの背中を押す。 「おじさまぁ!」 「はぁ〜い。おじ様はここですよ。す〜ぐ、戻ってくるからね。」 影が円陣を組み鋭い指先をウジャウジャと出しながら迫ってくる。 「さぁて、何をして遊ぶのかな?」 「君を引き裂くのは簡単だがこそ泥の血で花嫁の部屋を汚すこともあるまいと思ってね。」 「そんなこといっちゃってぇ、あとで後悔するぜ。」 薄気味悪く笑いながら、 「減らず口はそれまでだ!」 とかなり大きな目をカッと見開いたら、突然ルパンが立っていた床が抜けて、ルパンはポケットに手を突っ込んだまま、暗い穴に吸い込まれてしまう・・・。 「フフフ・・・。一人として這い出たもののない、地獄へ通じる穴だ・・・。」 伯爵軽く手を振る。左右に散って行く影ども。クラリス、よろめきながら穴に近づく。しかし、これ見よがしにぴっちりと閉じてしまう床。(まったくどこに穴があったのか、わかんないぐらいぴっちり閉じてしまう。ん〜。カリオストロ家の技術はかなりのものだなぁ・・・。)それを見て顔を両手で覆い泣きだすクラリス。(この両手で顔を覆い泣くシーンは宮崎作品ではよく出てきます。はじめはシリーズ2の最終回「さらば愛しきルパン」で、小山田マキが銭形にふんしたルパンに「何人殺したんだぁ!」と言い寄られた時。「耳をすませば」では月島雫が物語ができてお爺さんに見せたとき泣き出すシーン、よく覚えてないけどナウシカのときもあったんじゃないかなぁ?女の子が泣くといえばこの形みたいな。でも不二子が泣くシーンはこうじゃなかったなぁ。不二子ちゃんは女の子ではないからかな?) ジョドーも退室(だと思うんだけど、どこからいなくなったのかは不明)する。伯爵クラリスに近寄り、顎をわしづかみにして、 「かわいい顔してもう男を引き込んだか?カリオストロの血は争えんな。ふふふ、我妻にふさわしい。」 「人殺し!あなたは人間じゃないわ!」 「そうとも、俺の手は血まみれだ。が、お前もそうさ。わが伯爵家は、代々お前たち大公家の影として謀略と暗殺をつかさどり、公国を支えてきたのだ。」 「放して汚らわしい!」 (なるほど。もし伯爵の言うことが本当なら、クラリスのご両親はかなりの悪党ではないか。自分の手を汚さずに犯罪を犯していくなんて・・・。しかもそのお金で国が繁栄していくとなると、大公家は伯爵家と同じ悪党。伯爵家に火事にまぎれて暗殺されてもしょうがないような気も・・・。暗殺かどうかは知らないけどね) 「それを知らぬとは言わさぬぞ。お前もカリオストロの人間だ。その身体には古いゴートの血が流れている・・・。」 クラリスは耳を覆う。 (ということはご存知なんだね。自分がどういう人間なのかってことを。それを知ってて伯爵と結婚なんて悲しいよね) 「クラリス・・・。400年の長き年月。光と影に分かれていた2つのカリオストロ家が、今ひとつとなろうとしているんだよ。ごらん、わが家に伝わる金のヤギと、お前の!」 といいながらクラリスの左手をグッとつかみ、 「銀のヤギの指輪が一つに重なる時こそ、秘められた財宝がよみがえるいのだ!」 伯爵は我慢しきれないように指輪を重ねようとする、そのとき! 「あ、き〜っちゃった、き〜っちゃった。お宝目当ての結婚式!」 はっとして周りを見渡すがルパンはいない。 「やつだ!」 「ニセ札作りの伯爵の言うこと、やること、すべて嘘。」 狼狽する伯爵。 「女の子はとてもやさしい、素敵な子・・・。」 クラリス、指輪に注目して、伯爵の手から逃れる。 「おじ様、おじ様!」 「ハーイ。元気ですよ!」 落とし穴の途中で引っかかってる(って言うかいつものかぎのついたロープで止まっている。)ルパン。 「女の子が信じてくれたから、空だって飛べるさぁ。泥棒さんがきっと盗み出してあげるから、まってるんだよ。」 「ハイ!」 「くそぉ!その指輪かぁ!よこせ!!」 クラリス抵抗するが、柱に激突。 「ヤイ伯爵よく聞け!」 蓋が飛んで、ピエロみたいのがビヨーンと出てきた。 「本物の指輪は俺が預かってる。その子に指一本触れてみろ!大事な指輪はこうだ!」 突然指輪は爆発。 「クッ!偽者だ!」 指輪を床にたたきつける。 「ニヒヒヒ・・・。」 と笑うルパンに上から水が流れてきた! 「くそぉ、人を排泄物扱いにしやがって!ふーん!」 (ってこれはフンと糞をかけた山田さんのアドリブではないかなぁ?)」 ジョドーが現れている。(やっぱり立ち聞きしてたんだ。いやらしいやつ。) 「落ちたか?」 「多分。」 「調べろ。」 「あそこは生き物のおもむくところではありません。ほおって置けば必ず死にます。」 「指輪を奴がにぎっているのだ。」 「かしこまりました。」 クラリスに向って 「待っておれ。お前のこそ泥をずたずたに引き裂いてやる!」 伯爵退場。また真っ暗。 床にバラと万国旗が落ちていた。 バラを広い見つめるクラリス。(美しい) と書いて、ん?と思った。どこかでおなじようなシーン見た記憶が・・・。あれ?もしかして「天空の城ラピュタ」でシータもこんなシーンなかった?夜暗い部屋で、パズーを待って窓辺で夜空見て祈ってた・・・。あったよね。宮崎さんって結構キャラもかぶっているの多いしさ(例えば、「パンダコパンダ」のパパンダはもろトトロでしょう?)、同じようなシーンを好んで使うのが好きなんでしょうかね? コナン(未来少年だぞ。名探偵じゃないぞ)のときのラナもこんな感じシーン、なかったっけ?ハイジはどうかな?ドイツに行って山が恋しくなった時はこんなんじゃなかったかな?まぁ、ペーターは助けにきてくれなかったけど。(笑) ルパンは御自慢の鉤つきロープで下に降りる。同じように女性の方であったろう白骨死体もぶら下がっている。怖いねぇ。骸骨の隙間を歩くルパン。彼の表情には悲壮感はない。 「殺しも殺したり何百年分かぁ。なんまんだぶ、なんまんだぶ・・・。ん?」 ある骸骨の後ろの壁に何か書いてあるのを発見。壁の文字は、「1904,3,14 日本国軍偵 河上源之助ここに果つ」とあった。(一時停止して読むとこう読めるけど、その下にもきっとなんか書いてあるんだろうな) そのとき後ろから何か気配が・・・。 「ううう。うん?」 銭形だ。ライターを灯りにして歩いてきたんだろう。 ルパンの胸倉をつかみ 「ルパン!おのれぇ、神妙にしろぉ!!」 「とっつあん、よく無事だったなぁ。」 「教えろ!出口はどこだ!どこから入ってきたぁ!」 「俺も落っことさてたんだよ。」 それを聞いて銭形急にしゃがみこむ。 「その様子じゃ、だいぶ歩き回ったようだな。」 「うるへー!盗っ人の情けはうけねぇ!」 「ま、ゆっくりしようぜ。どーせ出口はねぇんだから・・・。ちょっくらごめんよぉ。」 といいながら、白骨死体をどけて座り込むルパン。 「とっつあん、火貸してくんない?」 「ルパン、この仏の大群は一体なんだ?墓場とは思えんが・・・?」 「そこの壁見てみな。」 とさっきの壁を指差す。這いながら銭形壁に到達しライターで灯りをともす。 「こ、これは・・・!ん〜。なんまんだぶなんまんだぶ・・・。」 「ただの城じゃねぇと思っていたが・・・。これほどまでして守る秘密とは・・・? お前の狙いもそれか?」 「それをやってるのは不二子ちゃん。仏様にならなきゃいいんだけどね。とにかくじたばたしたってはじまらねぇ。おやすみ、とっつあん・・・。」 といい、眠ってしまう。 銭形はタバコをもみ消す。 つづく。 |