2002.10.28号 06:00配信
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だから大好きルパン三世
美幌在住のS 


エピローグのつもりが、「カリオストロの城」を書いていないことに気づき、あわてて書くことに。しかし「カリオストロの城」は長い。そこで、何週になるかわかりませんが、小分けにしてお送りいたします。最後までお付き合いくださいね。

番外編「カリオストロの城」その11

・パリ国際警察本部。
 「出動命令を下さい!これほど明確な証拠があるのですぞ。私は見たんだ!最新の印刷機がずら〜りとこう・・・。」
「そんなことは判っておる。」
教官は机をたたいて言う。
銭形は何を言ってるんだといわんばかり。?????
「これは高度に政治的な問題なんだ。我がインターポールの権限は国際犯罪に限定されておる。」
「長官!犯罪であることは明確ですぞ。」
「わかっとらんな。相手は国連加盟の独立国なのだ。インターポールといえども、強制捜査はできんのだよ。」
とフランス(ミッテラン?)代表が言う。
「しかも情勢は極めて不利だ。世界中の新聞のトップを飾っているこの写真を見たかね?自ら花嫁を守った伯爵の勇気。ルパン、クラリス姫誘拐に失敗。」
といかにも硬そうなドイツ代表が新聞の説明する。
「ルパンの共犯者、銭形に変装ともあるが?」
「それは正真正銘の自分です。」
「困るんだよぉ。現職の警官が軽率じゃないかぁ。」
と、まぁ、いかにも頼りなさそうな日本人代表。世界から見るとこのように日本人って見えるのかなぁ?
「真相は報告したはずですぞ。」
「問題はだね、世論がどっちを信ずるかだ。」
「勝ち目はあるまい。」
とフランス代表。そんな感じだから世界から嫌われるんだ!といいたいね。
「伯爵は西側の政界に友人が多いそうじゃないか。真相を暴かれると困る国も多いんじゃないかね?」
とソビエト代表。このころはまだ東西の対立があったね。イギリス代表らしき人苦い顔。
「その通り。現に、大量のニセドルが某国によって発注された証拠がある。」
とアメリカ代表はいきり立つ。
「このニセルーブルこそCIAの発注じゃないのかね?」
とソビエト代表も応戦。
「やめたまえ。ここに国家間の争いを持ち込んでもらっては困るのだ。」
「さよう。ゴート札は各国ごとに対策を考えてもらうしかありませんな。」

外では銭形の部隊が待っていた。
「警部!出動準備ができました。いつでもカリオストロ公国へ出動できます。」
「出動はない・・・。」
「ハッ?」
「後任が決まり次第、我々はルパン担当の任を解かれることになった。全員帰国の準備をしろ。」
暗い戸口にむかって歩き、静かにドアは閉まる。

・老人の家。
 「わしじゃ。」
ドアが開き、庭師が入ってくる。
「食いもんじゃ。」
「すまねぇな。」
「どうだ具合は?」
「熱は下がったみてぇだ。あんたの手術のおかげだよ。」
「礼ならあの犬に言ってくれ。誰にもなつかぬ老犬が、あの男からは離れようとせぬ。そうでなければ、お前さんたちをかくまったりはしなかったろう・・・。」
一瞬犬が顔をあげる。
ルパン犬の頭をなぜながら、
「よぉ、カール。」
驚く老人。喜ぶ次元。
「気がつきやがった!」
ルパンに駆け寄る次元、五ェ門。
「ルパン、キズはどうだ?」
「・・・次元。五ェ門。久しぶりだなぁ。」
「久しぶり?何言ってやがる!」
焦る次元。しかし五ェ門冷静に、
「キズによる一時的な記憶の混乱だ。」
老人ドアを閉めて入ってくる。
「カール?今日はご主人様と一緒じゃないのか?」
老人、ぐいっと前に乗り出し
「おまえさん、どうしてその犬の名を知っているんじゃ。カールと言う名は、私のほかはもうクラリス様しか知らないはずだ。」
「クラリス?・・・そうか・・・。お前のお主人様はクラリスって言うのか・・・。クラリス?」
次元心配そうに
「ルパン・・・。」
ガバッと起き上がり、
「次元!今日は何日だ!あれから何日たった?」
「み、三日だ。」
「なんだとぉ?式は明日じゃねぇか。こうしちゃ・・・。」
激痛に顔がゆがむ。
「無理するんじゃねぇ。キズ口が開いちまうぞ。」
「食い物だ。食い物もってこい。」
「食い物って、おかゆか?」
「血がたりねぇ、何でもいい。じゃんじゃんもってこい。」
「そんな事いったてよぉ。」
「わしが何とかしよう。」
(ん〜。次元のお嫁さんぶりが発揮されたシーンでしたな。まさしく愛妻賢母。美しいですな。やはり奥さんって言うのはこうでなくっちゃ。そういえば、このじいさん、ハイジのお爺さんにも似てるねぇ。とろけるチーズは持ってないかなぁ?)

バリバリ食いまくるルパン。
それを心配そうに見つめる次元。
「ばかやろー!そんなにあわてて食うな。胃がうけつけねぇぞ。」
「ウルセー!12時間もありゃぁジェット機だってなおらあぁ!」
と唾をはきながら食うルパン。
そして最後に一気に詰め込むルパン。
しかし、顔色が見る見る変わり、腐ったピーマンのように!
「いわんこっちゃねぇ。洗面器か?」
「*********!」
耳を寄せて「何?」
ゆっくり身を起こして、あきれたように、
「食ったから寝るって。」

・クラリスとの出会い。
 小屋の中で話し込む3人。
「そうでしたか・・・。クラリス様のために・・・。」
「しかし、ルパンがこのざまじゃぁなぁ。」
「ご老体はクラリス殿と深いかかわりがあるようだが・・・。」
「わしはお邸の庭師じゃった。クラリス様は草木が好きなお子でな。大公ご夫妻が亡くなられ修道院にお入りになる時、この犬をわしに託されたのじゃ。」
「ルパンの身体にお姫様の匂いをかぎつけたって訳か。」
「このご仁はなぜ犬の名を知っていたんじゃろう?」
「さあな。何しろ惚れっぽい男だからな。」
「そんなんじゃねぇ。」
ルパン急に言い出す。
「お前、起きていたのか?」
ルパンはベットに寝たまま静かに言い出した。
「もう、10年以上昔だ。俺は一人で売り出そうと躍起になってた青二才だった。」

ベンツを乗り、ワルサーを打ちまくる若きルパン。
掃除機で、ショーケースの宝石を盗み出すルパン。
カジノで大勝ちし、女を羽部らかすルパン。

「バカやって、いきがった挙句に、俺はゴート札に手をだした。」
カリオストロ城に侵入し、逃げる時に鉄の槍が背中に刺さった。
城の下に落下するルパン。

湖から這い上がるルパン。
「何とか岸に這い上がったが、もう身動き取れなかった。」

まぶしい光の中、犬がほえまくっている。
うっすらと目をあけて確認するが、何もできないルパン。
「カール?どうしたのカール?」
幼少のクラリスが近寄ってくる。
ルパンに気づき驚く。ルパン、引きつりながら微笑む。
クラリスどこかに姿を消す。
「どうやら年貢の納め時がきやがった。」
観念して目を閉じるルパン。

「お水・・・。」
手を震えさせながら、ルパンにコップを差し出すクラリス。
身を起こしてコップに手をかけ飲むルパン。
(このときちゃんと中指に銀の指輪をしてますね。)

「震える手で水を飲ませてくれたその子の手に、あの指輪が光っていた。恥かしい話さ、指輪見るまですっかり忘れちまっていた。」
しばし沈黙。

カールいきなりうなり出す。
窓から紙切れがひらひらと舞い込んでくる。
遠ざかるオートバイの音。
「不二子の単車だ!」
「今日の新聞の切抜きだ!」
不二子ちゃんの愛しきキスマークと赤鉛筆で(競馬新聞のように)囲まれた記事。
「明朝、結婚式のためにバチカンから大司教がくるとある・・・!」
ハッと何かを思いつくルパン!

・酔って候。
 銭形、自分の机に足を乗っけてウヰスキーをあおる。机の上にはおつまみが散乱、灰皿にはタバコが山盛り。
机の電話がけたたましくなる。
靴で電話を手繰り寄せ、
「俺は降りるぞぉ!・・・不二子か!」
ガバッと起き上がり、電話に集中する。銭形の顔は赤い。
「ナニッ!ルパンが結婚式を襲う?本当か!」
不二子ちゃん電信柱に通信機をつなげて外から交信。
「ルパンが相手なら天下御免で出動できるんでしょう?」
「そうかぁ!その手があったかぁ!」
銭形急に明るくなる。

・渋滞。
 緑の草原の真ん中に道がある。大渋滞。その中をノロノロをアメ車らしき黒い車が路肩からはみ出して進んでくる。
(アメ車でしょうね。だって後ろのトランクの両端がウルトラ警備隊のビートルみたく羽がついているんですよ。アメリカの車以外考えられん。しかしね、バチカンの大司教が乗ってるんだからロールスロイスかもしれませんなぁ)

途中でテーブルを出してトランプしている男たち。
(はじめ見たとき、このトランプしてるのがルパンかと思っちゃった)
「急いでいるんだぁ、どいてくれ!」
「無駄、無駄。この先ぎっちりつまってるんだ。」
「7キロ先でがけ崩れだってよぉ。」
「他に道はないのかねぇ?遅れてしまうぞぉ。」
大司教、焦っている。
「あんれま、お前様、大司教様でねぇすか?」
老人に変装し子ヤギ(ユキちゃん?)を抱いている次元登場。
「んあぁ、やっぱりそんだ。このヤギッ子に祝福をくださいませぇ。」
「うん。」
大司教、手馴れた手つきで十字を切る。
「土地のものだね?カリオストロの城へ行く他の道はないかね?」
「田舎道でいいなら、あっちにあるがね。」
「たすかったぁ。案内してくれないか?さ、乗って乗って。」
「はいはい、大司教様のためならば、ハイ。」

ブルーバードのパトカータイヤはまり込んでいる。
銭形、地図をのぞいて、
「けっぱれぇ!後一山越せば国境だぁ。夕方までつかねばならんぞ。」
ノロノロと登って行くパトカー。

伯爵とクラリスの結婚式が始まる。
果たしてルパンの計画は上手くいくのか?
こうご期待!


つづく。




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