2005.9.17号 21:00配信
この展覧会は、今年生誕百年を迎え、没後十四年になる木村捷司の初期から晩年にいたる油彩画を展示しています。 人物、風景、静物と、あらゆるモチーフを描いていますが、彼がその対象に向き合った時の「描きたい」という強い意志のようなものが伝わってきます。人物であれば、観ている私が、その人と会っているような、風景であれば、その場所に連れて行かれそこの空気を吸っているような…そんな感覚すら覚えます。静物は画面に力強くモデルを配置し、しっかりした色彩を使っていて、大胆で自信に満ちた迫力のある構成に圧倒されます。 自分の画業にうぬぼれることなく、「生涯、画学生である」と自ら語り、あらゆるものに情熱的に向き合った…その姿勢がうかがわれます。 明治に生まれ、没後十四年ですが、今も『新鮮』であり生命力に満ちた色褪せぬ画家だと思います。 |