いかが?きれいだね。
北海道の春といったら福寿草。
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5月の初め、やっと暖かくなった陽気に誘われ、オホーツクのほとり、とある山の奥に水芭蕉の群生地を訪ねた。
車は砂ぼこりを舞いあげ、林道をひた走りに走る。この地は先日、遅い春の雪が50cmも積もった地帯である。重い雪であった。木々の枝が折れる音が聞こえたという。ところが山はもっとすごい。雪の重みで木々が折れ、根こそぎ倒れる姿もある。道はそんな倒木で通れなくなっている。車を降り、歩いて進む。この日は暖かく、雪解けの水がいっせいに流れ、山全体が潤いせせらいでいる。ふと気付くと道のわきに白い小花が咲いている。「ヒメイチゲ」、山の花は可憐である。福寿草も咲いている。さらに進むと今度は紫の小花、「エゾエンゴサク」であろう。静かだ。静けさは心のごちそうだ。鳥のさえずりと水のせせらぎが響くのみ。
突然、林立する木々の足元に、あった。水芭蕉の群生。木漏れ日に水がきらめき、清楚な水芭蕉をたたえるようだ。しばし見とれ、時のたつのも忘れそうだ。
いい時を過ごしたいい思い出を胸に山を去る。山を降りた時、突然頭上を黒い影が。見上げると大きな鳥の舞う姿、「アオサギ」である。美しい姿、水芭蕉の里はサギの里でもあったのだ。
来年、また訪れてみたい、水芭蕉に会いに。
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