2001.2.27号 07:00配信
ハンバーガーから出版社に話を戻して・・・。 よく会話が通じないので一端電話を切り、冷却タイムとする事にした。 「自費出版??? 何でこの俺が南極話を自費出版しなけりゃあかんのじゃ???」と言うことでまたまた電話をしようと思ったがさっきのマニュアル姉ちゃんが出てきてもなんとなく生命力を吸われそうだし、 ・貴社から原稿を書けと言われたから書いたこと。 ・本になればいいなあーとは思っていること。 ・それはそれは一生懸命書いたこと。 ・だけど¥4,000,000なんて冗談じゃ無いこと。 等を沈着冷静にMAILに書いて送った。 しばらくして封書で返事が来た。 中をのぞくとそれはそれは綺麗な文字で、次のような事がしたためられていた。 ・当社がいかに出版という一部の人にしか門戸を開いていなかった部門で、それまでめぐまれなかった、たくさんの人に貢献してきたか。 ・たかだか¥4,000,000で1,000部もおまえの本を作ってやるのに何文句があるか・・・言い方は違います。 ・さらに素晴らしい特典で、何とその内500部は我が社で売ってやるヨー。 と言うような内容が、言い方はあくまでも上品に延々としたためられていた。 普通だと妥協して、銀行から借金でもして一切を御願いし、めでたく500冊の売れ残り率98.5%の本の束が我が家に配達されたかもしれないが、最後の一言が、私ばかりか愛妻の「みゆきちゃん」にまで怒りの火をつけることとなった。 「確かに内容もおもしろく、スピーデイーな文体には惹かれる点はありました・・・が・・・問題はテーマです。はたして1,000数百円も出して、南極の話に耳を傾ける人が日本に1,000人もいるでしょうか??? その点で商業ベースにのせるとなると非常に問題があるとおもわれますETC」 これではまったく主客転倒・はしごはずし・裏切り者である。 「先に話を持ちかけたのはてめえの方じゃねーか!!!」とスピーカーで怒鳴りまくりながら、有機物を満載したバキュームカーをその会社の前に乗り付けて、バルブを全開に開け、会社中を汚物まみれにしてやろうかと思ったが、東京と紋別はあまりにも遠く、バキュームカーの調達方法や操作法も知らず、おまけに糞だらけにして「うんのつき??」でぱくられてもしようがないので、この方法は想像だけで済ませることにした。結果としてとった方法は、沈黙・黙殺・無視・・黙って縁を切ることにした。 なんとなく大事な物を壊されたような気がして、しばらくは気力さえ沸いてこなかった。「大丈夫!!! 絶対面白いって言ってくれる出版社はあるから!!!」このみゆきちゃんの笑顔での励ましがなかったら、ただのおやじは万年落ち込みおやじとなって、深海から浮上してくることはなかったであろう。
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