2006.5.17号 20:00配信




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音楽屋♪(コラム)

2006/ 5/17(水)― こま ―

「ライブ活動日誌 〜5月 最終日誌〜」



平成18年5月9日

 5月に入り、一週間過ぎました。何をしていたか…GW中はとにかく何も出来ずせっせとお誘いのハ
ガキ書き。8日月曜日に届くようにとポストへ投函。みなさん来て下さいますように…と手を合わせ
たかどうかはご想像にお任せ♪
 昨日5月8日の朝刊に、お寺ライブの記事が載る。記事を読んでくれた人が声を掛けてくれるけど
「ごめんね〜いけないのぉ」って。しょんぼり。だんだんネガティブな気分に陥る。
 だけど今日は断られてもいい!と、誘ったり電話したりメールしたり。(笑) ことごとくやられっ
ぱなしだけど、なんのその!明日はピアノ運びの日。もう落ち込んでいられないのです。当日に向け
て準備していかなくちゃ〜♪

平成18年5月10日

 心配していた雨も止み、午後6時、ピアノ搬出に立ち会おうと夢ふうせんへ行ったがすれ違い。す
ぐに大昭寺まで向かう。大昭寺では、大きなトラックが止まってて、私が到着するのを待っていた。
本堂入り口から、コンパネと絨毯を敷いた上にピアノを移動する。たった二人でピアノを移動する姿
をカメラに収めておきたかった!
 ピアノ搬入後、ご住職さんとステージのイメージつくりをした。コンパネをどうするとか、赤い絨
毯をこうする、とか・・・。お互い意見を出し合って、やってみて、だめだこりゃと笑ったり、悩ん
だり
妙に楽しいひとときだった。

平成18年5月11日

 午後7時、本堂に集まり会場作り。人数が思うように集まらず、ピアノ移動に四苦八苦。仕事途中
から協力者の一人がやってきて、えっさほいさとピアノ移動。赤い絨毯敷き詰めて、コンパネ置い
て、その上にまた絨毯。入場の「緋毛氈」をコロコロコロと敷いて、スタッフ武が作った照明を置
く。遮光するため全ての窓に黒いシートを張る。屏風を広げ演出。時間が押したので帰るスタッフも
居たが、やってくる協力者も居て、交代でがんばった。少し休憩を入れて最後の作業。終わったのは
12時だった。

平成18年5月12日 演奏者入り・リハーサル

演奏者前乗りの日。午後3時、3人の演奏者がお寺に集まる。軽食済ませてすぐにリハーサル。
リハーサルは、まず初競演となる瀬木さんと吉川さんの絡みから始まった。3人が楽譜を見ながら少
し打ち合わせ、すぐに音あわせ。その場に居合わせた私の肌には鳥肌が立った。こりゃ、明日の演奏
はどんなにすごいものになるんだろう・・・。期待が更に大きく膨らんだ。
3人のリハが終わり、次に佐山さんと吉川さんのリハ。去年のDUOライブを思い出す。普段会わな
くとも息はぴったり。二人の演奏は美しく、優雅。そして激しい。
吉川さんは昔馴染みの佐山さんに、遠慮せず自分のピアノを弾いて欲しいと言う、それに答えるよう
佐山さんは演奏する。伴奏者としての立場で、でも手は抜かない。吉川さんの演奏を引き立てる。こ
の2人の演奏はいつ聴いてもドキドキする。(と言っても2回目だ…) ジャズっぽくアドリブでお互
い挑発するような演奏。本番ではもっとスゴイのだろうなぁ〜と目がまんまるになった。
リハが終わり、歓迎会までの間はフリー。それぞれゆっくりした時間を取るが、なぜか佐山さんはお
仕事をし、その後ピアノの練習をしていた。
歓迎会では、ご住職が作ったお料理を食べながら、スタッフと演奏者の親睦をたっぷりと取った。次
の日が本番だという事を忘れてしまったかのように・・・。

平成18年5月13日 本番

 集合は午前10時。控え室の準備と受付の準備、そしてケイタリングの準備をする。演奏者は12
時入りだったけど、朝食を食べ損ねた演奏者たちは早々にお寺に集まり食事会。ご住職の作った精進
カレーは、具にレンコン・こんにゃく・厚揚げなどが入っていてびっくりしたが美味しかった。
会場も整い、マイクチェックも済ませ、受付も物販も準備OK!
やがて開場時間となりお客様が集い始めた。なぜか瀬木さんが自分から受付に立って仕事している。
こんな演奏者はじめて・・・。

 午後2時。本番。お寺の鐘を鳴らす。
 こまちゃんの挨拶。相変わらずヘタ。おまけに感極まって泣くし・・・笑
このとき、マイクの調子が悪い事に気がついた。聞いていたスタッフが「マイクのバッテリーが無い
かも・・・」と。やばい!!だけど演奏者はすでにステージに入り、演奏を始めた。聞き惚れてしま
いじぃ〜と見ていたがすぐに我に返り、マイクを何とかしなくちゃと住職に相談。マイクを取りに行
きたいけどステージを横切る事は出来ない。後ろの隙間からそーっと手を入れて、マイクを取る。マ
イクに電池を入れようと、住職の自宅へ走る。電池を探すがなかなか出てこない。今の演奏が終わっ
たらMCだよぉ〜どうしよう。間に合わない!・・・と、そこで演奏が終わった。やばいっ!!使え
ないマイクを持ちながら走る。しかしステージではMC無しで次の曲へ。よかった!せめて3分は時
間が稼げる。マイクにようやく見つけた電池を入れて、元の場所へ戻す。ほっと一安心して会場を見
守る。演奏が終わって、MCに入ったとき瀬木さんがマイクを使わず話し始める。
あれ?マイク使わないの?・・・
 なにはともあれ、何も無く一部が終わった事に安心した。が・・・
一部が終わって、MCでマイクを使わなかった話しをすると「マイクがどこにあるのか分からなかっ
た」とおっしゃる。なにぉ?どうやらマイクの準備はしていたが、マイクの置き場所を知らせていな
かったらしい・・・。私の責任だ。反省・・・。
2部からは、マイクを吉川さんの足元に置き、使うようにした。

 私はほとんど受付でお留守番していたので、あまりステージを見れなかったのだけど、一部の最後
は佐山さんのソロだったので、ちょっと見に上がった。何の曲をやってくれるのかなぁ?
 昨日の歓迎会で「ティアーズ・オブ・ネイチャー」をお願いしたのだけど、ちょっと困っていたの
で無理にお願いしなかった。なので、どんな曲が飛び出すのか楽しみにしていたら、なーんと「ティ
アーズ・オブ・ネイチャー」が飛び出した。やった☆

 2部の前に、近隣町で行われる音楽会や催し物のお知らせをする時間を取り入れてみた。いつもは
プログラムに挟むだけのチラシだけど、せっかく人々が集っている場所なのだ。宣伝してもらおう!
休憩時間は宣伝タイムとなった。こんな風に近隣町の実行委員と横のつながりを持つ事も大切なのだ
から。

 2部が始まり、瀬木さんの司会進行で吉川さんが紹介され入場。吉川さんの独特の雰囲気が、1部
とは打って変わり、空気が変化した。ソロ2曲の後、佐山さんも参加し去年のDUOライブが再演。
なんて贅沢な演奏会なんだろう。自分で企画しておいて言うのもなんだけど、すごい企画である。こ
れは、瀬木さんが作ったプログラムのおかげだ。
二人のDUOが終わり、空気はすっかり「ジャズ」。瀬木さんが入場。空気はまた別なものに変わろ
うとしていた。本日のメインイベント!3人の競演が始まった!!

 この競演を見てみたくて企画した。「想像するがなかなかイメージが沸かない」 そんな時から
ずーっと暖めてきた企画。日が経つに連れ、だんだんとイメージに色がつき始め、左にピアノ・真ん
中にサンポーニャ・右はチェロ。サンポーニャとチェロは、どんな絡み合いをするんだろう。など
と、想像しながら活動してきたのだ。
それが今、ここで、目の前で想像した「カタチ」が現実となっている。
 感動と共に自然と流れる涙は、これまでのやってきた自分の中のマイナス部分を全て流してくれ
た。良いことばかりじゃなかった。ネガティブに陥って鬱になったときもあった。でも、それを辛抱
して前向きにやってきたことが、ようやく報われた。嬉しかったなぁ。

 2部が終わり、感動の拍手喝采の中、ステージを降りて下がってくる演奏者にねぎらいの声をかけ
ようとしたが、なきべその私が三人に逆にねぎらわれてしまった。

 アンコール。とても不思議なサンポーニャソロの音色。風の音、鳥の声、木々の触れる音。どこか
違う世界へ入り込んだような、そんな曲を1曲。瀬木さんの世界がそこにあった。

 ライブ終了後、演奏者たちはCDをお買い上げのお客様にサインをしてくれた。ここで、お客様と
演奏者が交流するのだ。これがまたお客様にしてみたら嬉しい時間。みんなニコニコ笑顔でとても楽
しげに帰っていく。そんな後姿を見ながら見送りたかったのだけど、スタッフは後片付けでバタバ
タ。私も受付などの後片付けでバタバタ。途中、最終便の飛行機に乗るため、スタッフが運転する車
に乗り込む吉川・瀬木両氏を見送るために作業中断。

熱い握手と再会の言葉を交わし、笑顔で見送った。
また、こんな演奏会が出来たらいいなぁ〜と、思いながら走り行く車に手を振った。

残ったスタッフで再び後片付けするが、全て片付いたのは午後7時。
今日はよく働きましたな。
って事で、お疲れさん会は焼肉にした。みんな笑顔で「おいしぃ〜」の連発。居残り組みの佐山さん
も「おいしぃ〜♪」

夢に見た一日は、こんなふうに過ぎていった。


平成18年5月14日 特権?

前日の芋焼酎が残っている。今日は佐山さんを空港までお見送りするのだけど、なんかちょっと二日
酔いだし、寝不足だし、大丈夫かなぁ〜?と思いつつホテルへ。ホテルについて大変な忘れ物を思い
出した。ホテル代金を持ってくるのを忘れたのだーっ!!すぐに引き返しお金を持ってくる。余裕を
持って行動しようと思ったのだけど、こんな失敗しちゃったらもともこもないね。あほ。
気を引き締めて、出発!!ちょっと網走まで寄り道。以前、佐山さんの息子さんがピアニストとして
演奏したお店にお邪魔した。そこには「カワイ」のグランドピアノがある。
お店のマスターは、待ち焦がれていたらしく、ママさんと嬉しそうに出迎えてくれた。
佐山さんは、お店に並ぶ、ライブ模様の写真を見ながら「あ。彼も来たの?」などとマスターとお
しゃべり。
注文した食事が出てくるまで、グランドピアノの前に座る。
喫茶店でコーヒーを飲みながら、生演奏を聞けるなんて。
しかも、佐山さんのソロ演奏だなんて・・・
主催者の特権かしら?すみません。

食事しながら、マスターやママとおしゃべり。私はケーキをもくもくと食べる。うまいのだ。
さ〜そろそろ行きましょうかと立ち上がったとき、ママが「5分待って下さい」と言う。
なんと言う花かわからないのだけど、とても上品で美しい白い花。帰り際にプレゼントされてしまっ
た!こんな私にプレゼントなんて・・・。でも、気持ちが嬉しかった。ママありがとう。

このお店にライブに来れたらいいね。そんな話しをしながら空港に向かった。が・・・

道に迷い、何度かマスターに電話した。
佐山さんはじめ、マスターにまで心配かけてしまった。すみません。

でも、無事に空港へ送り届けた。

見送る空は雨模様。雲に吸い込まれるように見えなくなる飛行機に手を振って。
「また、再会する日までさようなら」

今回の企画の発端が、お帰りになった瞬間でした。



平成18年5月17日 あとがき

終わってしまって気が抜けるかな〜と思ったのですが、残務整理が多くって気を抜いている暇があり
ませんでした。何と言う忙しい事でしょう。しかし、充実感たっぷりで、これまで自分に自信を持て
なかった私は、今回のライブでかなり成長させてもらいました。

これも、最初から最後まで携わった音楽屋スタッフのみんな、協力してくださったパルやアコース
ティックルーターの皆さん。宣伝で協力と応援を頂いた、近隣町の皆様。楽しみに待っててくれた友
人・知人。同じ目的を持つ実行団体のみなさん。そして、お寺を快く提供してくださり、また、精一
杯お仕事をしてくださった、大昭寺のご住職さんと奥様。さらに出演依頼を受けてくださった出演者
の瀬木さん・佐山さん・吉川さんと吉川さんのマネージャー関根さんのおかげです。

心から深く感謝申し上げます。ありがとうございました。


それから、こちらをごらんの皆様。
最後まで企画日誌を読んでくださいましてありがとうございます。
面白くなかったでしょ?反応無かったしね。笑
自分で自分をお祝いしようっと。

こまちゃん。おめでとう☆




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