2004.5.3号 20:00配信
【紋別】紋別市など遠紋地区12市町村を舞台にした「オホーツクDO(ど)いなか博」(同博推進委、北海道新聞社など主催)が1日、紋別市の海洋公園で開かれました。日中でも口から吐く息が白くなるほどの寒さの中、同博の音頭を取った赤井邦男紋別市長らのあいさつに続き、同博のイメージソング「オホーツクの詩(うた)」を地元の合唱団が歌いました。引き続き、YOSAKOIソーラン踊りや、吹奏楽演奏、同博に賛同した宇崎竜童さんらのライブコンサートなどが開かれ、訪れた人たちは、盛んに拍手を送っていました。 さて、フツーの新聞記事にしましたが、決定的な誤りがあります。どこでしょう? 答えはこの博覧会は夏、冬2ステージにわたって、既存のイベントに「冠」をつけて、長期間繰り広げられるイベントなんですね。実は1日は「開会式」だったのです。 この博覧会、前も書きましたが、2年以上かけて話を進めていました。当初の計画では開会式は「キックオフコンサート」と銘打って、華々しいものを想定。かつて当該地域で勤務していた時も、音頭を取った紋別市側からは、そうなるはず−と説明を受けていました。 ですが、実際は、ひどい。 終盤のYOSAKOIソーラン踊りになると、ほとんど人はいなくなりました。踊っている人たちがかわいそう。これが2年もかけて練り上げたイベント(開会式)とは思えないほど惨めでした。せっかく札幌から来たのに、「何じゃこれ」の連続。 会場には何人いたのでしょう。結構な人入りでした。確かに。ですが、それは開会式で出るYOSAKOIチームや、吹奏楽部などの子供や、付き添いの親ばかり。それを証明するかのように、プログラムが次第に進み、「オホーツクの詩」を歌い終わり、吹奏楽演奏が終わるたびに、会場の人は少なくなり・・・。いったい、地元の出演者以外も含め、「一般参加者」はどれだけいたことか。開会式の目玉とされた、根津甚八さんと、宇崎竜童さんのステージでさえも。 人数だけでは成功、失敗は測れないのは事実ですが、あまりにも、これはすごい・・・。「いなか博」の周知度を測ったらどうでしょうか? 事前に札幌で手に入れたガイド本(600円)も異常なほど「手抜き」。これも「既存の」写真を生かし、ただの施設やらイベント紹介。たぶん推進委は多額の経費を掛けているはず。これだったら、「じゃらん」に広告を打った方が効果的だったのではないでしょうか。 「いなか博」は各町村の既存のイベントに「冠」を付けて、全体でそう呼びます。 「これから夏が来る。ラフティングやら、花火大会で客寄せできる。これから」という論理もできないわけではないですが、開会式でさえいわゆる「客寄せ」の芸能人を呼び、それでも、この結果。開会式では、人員誘導やら、いすの出し入れに、遠軽地区7町村からも役場職員が大勢動員されていましたが、文句やぼやきが出る始末。「紋別に巻き込まれた」「(計画案を作った道内の広告代理店に)丸投げだ」って話もでるほどです。 寒くて寒くて、何か温かい物を−と思っても、会場にはなにもありません。会場の自販機のコーヒーも、すでに夏仕様となってアイスコーヒーだけ。同時に同じ会場で行われた「旬鮮まつり」でも、何も温かい物はありません。見えるのは「カニ汁−売り切れ」だけ。会場近くの海洋交流館の喫茶コーナーで「コーヒーでも」と行っても、開会式をやっているのにもかかわらず、なぜか閉店。同館の自販機のホットコーヒーは「売り切れ」。これほど「もてなされなかった」のは初めてです。同館の中にあったパンフレットに紋別の「とっかりの湯」が紹介されていました。寒かったら風呂に入りに行け−ということなのか。 それとも僕があまりにも「ぜいたく」だったのか。寒さも「体験しろ」というのかなぁ。もう、紋別のいなか博イベントには行きたくない!!時間の無駄と、健康を害してしまいます。不愉快さは臨界点に突破してしまいました。激怒です。顔は相変わらず笑っていますが。 地元の友人が「とっかりの湯にでも入ろう」と気遣ってくれましたが、上湧別の「チューリップ温泉に」と言ってしまいました。 ただ、もう「いなか博」自体は進み続けます。当該地域にいたよしみで、遠軽地区7町村のイベントでは「よそ者へのもてなしのココロ」は決して忘れることないよう、願いたいし、ラフティングやら、山登りやら「体験型盛りだくさん」のようですが、事故だけはないように、祈りたいものです。 (札幌支局長・ぴかちゅ) |