2004.6.30号 20:00配信
思わず小躍りしたくなったニュースを、ひとつ。 佐呂間町では網走管内で唯一、学校給食はありませんでしたが、6月の定例議会で給食センター実施設計費を盛り込んだ補正予算案が可決されました。これにより、給食が本当に実施されることになりました。 数年前、学校給食実施を目指し、町が町内各地で開いた住民説明会を何度も傍聴し、保護者の意見を聞いていました。賛成する人は「食を通じた教育ができる」。反対する人は「財政が心配」というのが主だっていました。 その後、そうした意見を踏まえて今回のように実施設計費を盛り込んだ予算を出しましたが、議会は否決。ひっくり返ってしまいました。それだけに、今回の議決は非常に重みがあるし、 佐呂間の学校教育の大きな転換点だと思います。紙面上では淡々と30行程度と不満でしたが。 僕はこの給食、賛成の立場です。まず友達と一緒の料理を食べることで苦手な物を食べられるようになる面もありますが、佐呂間には農水産物が豊富にあるからこそ、子どもにそうした物を食べて地場産業を考えてもらい、食のありようも学ぶのが一番大事だと思うからです。 一方で、もちろん「弁当愛情論」もありますが。僕が会ったお母さん方から話を聞く限り、「子どもに弁当を作るのが面倒くさい。だから給食実施を」という意見は聞かれなかったように覚えています。お母さんたちは食を通じた教育や地産地消を望んでいたのでしょう。 最近はアメリカで牛がBSEの疑い−などと言った見出しが新聞紙面上に躍っていますし、札幌では、特に野菜に生産者の顔写真をつけて「安心」をPRしながら、陳列しているスーパーもあるぐらいです。 全道的には佐呂間は給食実施遅れてしまいましたが、だからこそ、今後、もっと父母、行政同士がともに計画を練り、地域の人たちも巻き込んで、一次産業のまちの佐呂間らしい、給食をしてほしいと願っています。今後がホントに正念場ですね。 (札幌支局長・ぴかちゅ) |