2006.3.19号 03:00配信


マンションのうたい文句

(webnews札幌方面支局長・ぴかちゅ)



奥さんが産休に入り、新しい家族を迎えるため、不用品の処分など、一緒に部屋の片付けをしています。

部屋からS友不動産のパンフが出てきました。
小生の住む中央区・円山と呼ばれる地区に昨年できた「シティタワー」と呼ばれる、28階建て146戸の高層マンションです。
明らかに富裕層を相手にしている建物で、価格帯は1900万程度から高いところになると1億490万円!!
札幌でもかなり(価格も)高い部類に入るマンションです。
たまに近くの東急ストア内の100円ショップに行くことがあるのですが、その時にそのタワーマンションの前を通るたびに、どんな人たちが住んでいるのか興味深く思うときもあります。

実は、小生の奥さん、数年前から今の(もちろんタワーとは違うもの)マンションに住んでいるのですが、近くにそうした目立つ「タワー」が出来たため、好奇心からか、モデルルームまで行きパンフレットをもらいにいったそうです。

パンフ(と言ったら失礼なのか)はずっしり重く、高級な光沢紙でもちろんカラー写真付き。
1ページ目。
「それは円山に光り輝く比類なき煌(きらめ)き。」
何とも言えません・・・・。
優越感をあおる文言はまだまだ続きます。

さて次、
「美しい円山が生活の風景になる。」「食事も会話も、風景がおいしくしてくれる。」
円山は高級住宅街だとか、文教に優れた地区で住むにはいいと言われています。
北海道神宮や円山公園が近くにあり、緑は豊かなのは事実ですが・・・・。僕はどうも馴染めませんし、「いいところに住んでいる」と言われる(こともある)のが理解できないのです。
このキャッチコピーが書かれたページには美しい夜景、ワイングラスとわけの分からない(たぶん高級なつまみなのでしょう)が置かれたテーブルが並んでいます。
さらに追い打ちをかけるように以下の文言
「きらめく夜景を眺めながら、料理と会話を愉(たの)しむ。そう、都心の高層ビルのレストランにいるかのように・・・。」
もう嫌みを通り越して・・・・。

別のページをめくります。共同玄関(エントランスホールと言うらしい)のページ。
「ここに一歩足を踏み入れた瞬間から、住まう方々の品格や美意識までもが伝わってくる。」
金持ちにとっては「メロメロ」になりそうなうたい文句ではないですか!
エントランスにはコンシェルジュと言うのが設けられ、ホテルのフロントのように、クリーニングの取り次ぎや、食材宅配サービスなどをするんだって。
この玄関で近くの円山市場で買った「ザンギ」と酎ハイを飲んで、騒いだら、管理組合の懲罰委員会(そんなのあるのか分かりませんが)で「風紀を乱す」として怒られるのかなぁ〜〜。

こんな美辞麗句が並んだマンションなのですが、しかし、まだ完売していないのか、時折新聞折り込みのチラシにも入ってきてます。
ほかのマンションのチラシでさえも、(こんな歯の浮くような文句はあんまり見かけないですが)美辞麗句は続きます。
耐震偽装も騒がれている中、こうしたチラシを眺めるたびに複雑な思いになります。
(札幌支局長・ぴかちゅ)





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