2007.3.31号 12:00配信
今年はホントに暖かかったのですね。 だいぶ前の記事になりますが、ある日の仕事で朝刊道北版を担当した記事に「暖冬」まとめがありました。 おおよその中身は、水道凍結、雪も少なく業者は悲鳴だとか、雪に関連するイベントは中止−という 「暖冬少雪で困った人(たとえば灯油業者)や喜ぶ人(早期オープンできるため、ゴルフ場関係者) をまとめた」という論旨で、よくありがちな「泣き笑い」記事。記事中でも「泣き笑い」という言葉を 使って、論を展開していました。 しかし「泣き笑い」というのは非常に失礼な言葉だと思うのです。 相手の中には灯油が売れなかったり、除雪がなく死活問題の人だっているでしょう。 こういう文の中で「泣き笑い」と表現する取材記者の資質は・・・(プンプン)。 意地でも「泣き笑い」という言葉は使いたくなかった。 頭をひねって考えました。「明暗(めいあん)」も芸がないよなぁ・・・・・。 ひらめきました。 「しばれ、大雪(おおゆき)どこへ行った?」 実は、文中には「しばれ」「大雪」ともに使われてない言葉です。 ですが、文の論旨をよく読み取って、「もし、小生が道北に住んでいたらどう思ったか」という、 立場を転換させて考えたのがこの見出しです。紙面整理ではよく使う手法。 文中にある「少雪だった」の対義語が大雪ですね。 「少雪だ」ということは「大雪はどこへいったのか?」という意味だろうと。さらにその大雪から類推して、 暖冬を「しばれ」と道内らしい言葉にしました。 自分で言うのもなんですが、道新らしい紙面だったと思います。自画自賛ですが。 (札幌支局長・ぴかちゅ) |