2年と少し前の、雪の降る寒い日。私は生まれたばかりの女の子を腕に抱いていました。何て小さいんだろう。何て柔らかいんだろう。無事母親になれた嬉しさ。と同時に、一つの不安が胸をよぎりました。(私はこの子をちゃんと育てられるだろうか…。)
最初は何もかもわからないことばかり。毎日バタバタして時間が飛ぶように過ぎていきました。今考えたらヒヤッとするような失敗も数知れず…。そんな中でも、子供はグングン成長していきます。いつの間にかお座りし、ハイハイして、気が付けばちょこちょこ歩いていました。
「夫婦2人だけで、よくここまで育てたね。」ある人にこう言われたことがあります。肩の力がふっと抜けるような、とても嬉しい一言。でも何となく妙な気分になりました。育てたといっても、何も特別なことをしたわけじゃない。毎日の何気ない暮らしの中で、気が付けば子供がここまで育っていた…そんな気がしたのです。
そう。小さいくせに、子供はとても強くてたくましい。教えもしないのに勝手にいろんな事を覚え、身体もあっと言う間に大きくなる。新米ママの綱渡りのような子育ても何のその、彼らは確実に育っていくのです。だとしたら私たち親の役目とは一体なんでしょう? 一番身近にいる人生の先輩として、生きるために必要な最低限の事を伝える。伸びていく子供の邪魔をするのではなく、いつも近くでそっと見守り、必要な時には手を差し延べる。そして何より大事なのは…我が子に負けないくらい、親自身も育っていくこと、ではないでしょうか。
さよママ
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