2000.7.13号 06:00配信
やっと暖かい日がおとずれ始め、北海道の短い夏の足音が聞こえ始めました。プール・海水浴・マリンスポーツはじめ、ゴルフ・サッカー・パークゴルフ等においても、不幸にして日射病などをはじめとする、救急の場面が増えてきます。 もちろん現代日本において、高齢社会のおとずれ、交通事故の増加などや、飲みすぎによる急性アルコール中毒など季節を問わないものも、少なくありません。人の命は尊くて、何事にも変えることが出来ません。一分一秒でも早く処置をし、医療機関に搬送することが、救命そしてより早い社会復帰につながります。 しかし残念ながら、わが国の現状は、医療機関以外の場所で、心肺停止状態で、119番通報された場合の80%以上が、救急隊到着まで救急蘇生を施されずに 放置されたままになっており、せっかく救急救命士制度が出来たのに、一部地域を除き、救命・社会復帰の向上になかなかつながっておりません。 救命率・社会復帰率を含めて、日本と欧米との差は、救急隊到着前の市民の救急蘇生実施率の差によると言えると思います。 このことは、私が知る限りですが、今一部地域と申したのは、「秋田市」を含めた、市民の救急実施率の高い極々一部の地域のことで、明らかに救命率も、社会復帰率も、他の地域に比べて高いという報告があります。 まさに心肺停止状態から、4分以内の救急蘇生の開始が大切で、統計上その他の地域でも、4分以内での蘇生開始の場合は、成績が良いことは言うまでもありません。 市民の皆さんが、救急蘇生法をご理解・実践していただくことが大切なのです。 現実にわが国でも、学校教育、自動車学校等でも、取り入れられて来ており、救急蘇生法に触れられた方も増えてきていると思います。 そこで今回からは 「だれにでも出来る 救急蘇生法 ABC」 をお送り致します。 ただし、紙上でお伝えするには限界があり、また救急蘇生法の講習会の主催者により、細かな点で若干の違いもあり(全国統一が本当は望ましいのですが)、より深いご理解を得るには、やはり講習会に数多く参加され,経験・体験されることをお勧めします。(実際に、本当の現場に遭遇しないことのほうが幸せなのですが) それでは前置きが長くなりすぎましたが始めます。 心肺蘇生法の手順
以上の3点が非常に重要です。 各々の詳しい方法に関しては、次回より順次行います。また日頃、直面しやすい次の事に関しても順次お送りいたします。 「火傷・熱傷」「溺水」「熱射病・日射病」 「ひきつけ・熱性ケイレン」等 本日の最後に 救急蘇生は、絶対に無理だとあきらめずに、救急隊へ引き継ぐまで、根気よく続けてください。蘇生の途中で、自分勝手に中止(死亡を意味します)の判断をしないでください。その確認・判断は病院に搬送された後に医師が行います。 その判断(蘇生の中止=死亡認定)を下すことは、救急を担当する医師にとって、とても難しく・辛い判断の瞬間です。反対に蘇生に成功したときの喜びと安堵感は、計り知れないものがあります。特に市民の方から救急蘇生が引き継がれたときは、うれしさも倍加し、講習会の励みともなります。 では次回へ sirokuma@webnews.gr.jp |