1999.10.5号 22:00配信



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スペシャルオリンピックス
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    スペシャルオリンピクス北海道のみんなたち
 提供:スペシャルオリンピクス北海道運営副委員長 渡部 章
mailto:wdcnet@seagreen.ocn.ne.jp
byイマムー
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こんにちは皆さん、イマムーです。

今回は、稚内市で行われました、「愛ランド’99」に参加しての
報告をSO北海道ボランティア委員長篠原辰二さんから、お預かり
いたしましたので、アップします。
とくに、アスリートの「朋ちゃん」のがんばりを、読み取っていた
だければ幸いです。

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「ボランティア愛ランド'99in稚内」に参加して

         1999/10/4
  報告:スペシャルオリンピックス日本・北海道
    ボランティア委員会 篠原辰二

 台風18号により、各地で大きな被害が相次ぎ、やっと日本
列島を去ろうとしていた去る9月25日、台風の余波に見舞わ
れていた日本列島最北の地、稚内市において「ボランティア愛
ランド'99in稚内」が26日までの2日間の日程で開催さ
れました。

 全道のボランティア活動実践者、一般道民が一堂に会し、様
々な活動における情報交換、交流を行い、ボランティア同志の
ネットワークの充実と強化を図ることを目的として毎年開催さ
れているこの「愛ランド」。今年は激しい雨と強風の中、道内
外から800人以上の参加者と親善都市カナダ・アルバーター
州から9人のボランティア活動実践者が集い、それぞれの活動
のあり方や問題についてを話し合い、交流を深めました。

 稚内南中学校の生徒による「ヨサコイソーラン」で幕を開け
た開会式、そこにヨサコイソーランの音と踊り、迫力に目を丸
くした我らがスペシャルオリンピックス日本・北海道のメンバ
ー5名の姿もありました。この「愛ランド」、ただボランティ
アの情報交換や交流を行うだけではなく、自分たちの活動の糧
となるようなものを一つでも持ち帰るために、幅広い分野のボ
ランティア実践者による分科会が設けられていました。

 今年設けられた分科会は全部で15、その一つに地域で支え
るボランティア活動としてスペシャルオリンピックス日本・北
海道が提言者として選ばれたのです。その提言者として稚内に
足を運んだのは事務局長の今堀英明さん、水泳コーチの熊谷裕
子さん、ボウリングコーチの矢野雅次郎さん、ファミリーの舟
橋るり子さん、そしてこの日の主役、アスリートの朋ちゃんこ
と山内朋美さんの5名でした。

 ただこの活動を多くの人に広めるのではなく、スペシャルオ
リンピックスの理念や目的を理解してもらうだけではなく、む
しろ朋ちゃんに自分が経験したこと、楽しかった辛かった、そ
んな自己表現が少しでもできればと思いこの日に挑みました。
前日、朋ちゃんを交え、この愛ランドに出席するみんなが「主
役は朋ちゃん」と与えられた2時間30分の分科会の時間配分
や細かい打ち合わせを夜遅くまで行われました。

 スペシャルオリンピックス日本・北海道の拠点となっている
のがオホーツク海に面した紋別市、「愛ランド」の開催地稚内
市へは車で4時間あまり、朋ちゃんは水泳とボウリングのプロ
グラムを行っている普段は缶詰加工場で働いている22歳の女
性。普段はおとなしいけれどプログラムには積極的に参加し、
スペシャルオリンピックス日本・北海道のアスリート委員会委
員長としても活躍しています。
この朋ちゃん高等養護学校以来、お母さんと離れ旅行するのが
初めての経験。そのためか、車中ではちょっと緊張気味。これ
から始まる分科会のことなんかも考えていたのでしょうか…。

 分科会には高校のボランティアクラブなどの生徒とスポーツ
に興味のある一般の方々、実際障害者にスポーツを指導してい
る方、社会福祉協議会の関係者など40数名が参加して朋ちゃ
んをはじめとするスペシャルオリンピックス日本・北海道の話
に興味を示し聞いてくれました。司会を務めたのがスペシャル
オリンピックス日本・北海道のボランティア委員長、わたくし
篠原。この日は本職の紋別市ボランティアセンターの職員とし
ての参加で、自らの発言したい気持ちを抑えて、司会進行につ
とめました。

 まず、5名の自己紹介、それぞれの氏名、役職はもちろん本
職やスペシャルオリンピックスに係わったきっかけなども話し
てくれました。ここではもちろん朋ちゃんも自己紹介、「カニ
を加工して缶詰を作っています。」と仕事のことも説明してく
れました。スペシャルオリンピックスの活動や理念、北海道
(紋別市)で行われているプログラムの説明などをそれぞれが
事務局、コーチ、ファミリーの視点から説明を加え、その要所
要所に朋ちゃんの感想、意見を交え分科会を進めていきました。

途中ビデオを用いて実際のプログラムの様子を参加者に見ても
らいました。ボウリングプログラムのビデオには朋ちゃんもしっ
かりと映っています。

これにはちょっとともちゃん照れくさそう…。参加者からも質
問をしてもらい「すばらしい活動ですね。」「これからも頑張
ってください」などの声もちらほらと…。参加者ひとりひとり
を朋ちゃんが指名しそれぞれの感想も聞くことができました。

最後に事務局長今堀さんのまとめの後、「皆さん聞いてくれて
どうもありがとうございました。」と朋ちゃんの〆の挨拶。
参加者全員を見送った後、みんなで記念撮影を1枚パチリ、朋
ちゃんもホッとした様子。地域で支えていくこの活動の2時間
30分の終わってみたら短かった(?)スペシャルオリンピッ
クスの分科会でした。

 みんな神経を集中していたのか、朋ちゃんも緊張したのか、
分科会が終わったらちょっとおなかが減った様子。この後は参
加者800名以上での大交流会。稚内市の婦人ボランティアグ
ループの皆さん手作りの料理をいただきました。

 この交流会には親善都市カナダ・アルバーター州からの参加
者も…。「スペシャルオリンピックスの活動は世界的なもの、
もしやこの外人さんたちも知っているかも」と考えていたスペ
シャルオリンピックス日本・北海道の面々。カナダ人の英語の
スピーチを(本当は通訳の方の日本語)よくよく聞いていると
「私たちはスペシャルオリンピックスへの支援活動も行ってい
ます」との話。これにはビックリ!その場にいた800名のう
ち、おそらくそのことに反応したのは我らが5名だけ。スピー
チが続く中、思わず拍手!。自分たちの活動の大きさと広さを
実感したものでした。(実はこのカナダからの参加者たち、ア
ルバーター州「ワイルドローズ財団」のご一行様。スペシャル
オリンピックスへの関わりも強く、私たちの活動もすぐに理解
してくれました。)

 こことぞばかりに行動を開始したのは、ボウリングコーチの
矢野さんと私篠原、「英語なんてできなくても、スペシャルオ
リンピックスは全世界共通!名刺のマークを見せれば何とかな
るさ」と名刺の名前にアルファベットで名前を付け加え、いざ
出陣。「なるべく女性に…」と矢野さん。私篠原は英語が何よ
りの苦手(苦手と言うかまったくダメ)「英語なんてできなく
ても…」といっていた矢野さん、いきなり流暢に「エクスキュ
ーズミー」ペラペラと会話を弾ませていました。ただただ引
きつった笑みで答えている篠原に「カメラ!カメラ!」と写真
を強要する矢野さん。

いつの間にか朋ちゃんと他のみんなも加わり、全員で記念撮影。
記念にそれぞれのバッジをいただきました。海外のボランティ
ア実践者、スペシャルオリンピックスの活動に支援している方
々との交流を図れ、よい思い出にもなったことと思います。

 翌日26日、昨日各分科会で話し合われたことを800名以
上の参加者の前で発表する全体会。持ち時間はそれぞれ2〜3
分。我らがスペシャルオリンピックス日本・北海道は第9分科
会、発表者はもちろん朋ちゃんです。この時のために、ホテル
で舟橋さんと内容を話し合い、何を発表するのかを考えた朋ち
ゃん。壇上にあがり、緊張しながらも順番を待ちます。隣には
補佐の事務局長今堀さん。「ただと隣にいるだけで、俺は絶対
しゃべらない」と朋ちゃんを精神的にサポート。 順番がきて、
マイクに向かい一呼吸あけて「私たちは第9分科会でした。ス
ペシャルオリンピックスのことを話しました。聞いてくれてど
うもありがとうございました。」と大きな声で発表。会場が静
まり、参加者が耳を傾けていてくれました。内容は多く話すこ
とができませんでしたが、どの発表よりも誰よりも大きな拍手
を会場から浴び、また照れくさそうに席に戻るともちゃんでし
た。

スペシャルオリンピックス日本・北海道の役割もこれで終了。
あとはまた4時間の帰路につく私たちでした。帰りの車の中で
は、みんなお疲れの様子。運転手篠原をお構いなしに(仕事で
きたので仕方がない)すやすやと眠りにつき、また明日からの
ふつうの生活に戻るための休息をついていました。

 10月2日からスペシャルオリンピックス日本・北海道の水
泳プログラム(第3クルー)が始まります。(翌3日にはボウ
リングポログラムが開始)朋ちゃんにとってこれからのプログ
ラムとこれからの彼女自信に少しずつ自信と希望が湧いてくる、
そんな活動にしたいと思っています。

 今回のボランティア愛ランド北海道への参加は少なからず
朋ちゃんにとって自信を持てたものだと感じられました。今後
も朋ちゃんをはじめスペシャルオリンピックス日本・北海道の
9名のアスリートに勇気・自信・希望を一緒に実現させていき
たいです。

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感想等をメールしていただければ幸いです。

では次回まで。


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