竜飛崎から日本海に沿って国道339号を南下すると津軽半島の切立った山肌を縫うように稜線近くまで急な登りが続き、振り返ると竜飛の風車群が眼下に前方は日本海に突き出た小泊岬を望む標高502.5メートルの眺巌台の展望台、この先は龍が這うようなツヅラ折れの続く泊龍ラインを登り下りしながら津軽国定公園の絶景を楽しむことが出来ました。
小泊の権現崎から海岸線は砂浜に変わりオホーツクの海岸に似た景色が続き市浦(しうら)村の十三湖に寄り道、岩木川の河口に広がる県内第3位の汽水湖、特産のしじみ貝は小ぶりですがダシが良く出るようで塩汁仕立てのしじみ汁1杯100円の土産店が並び、しじみ釜飯や佃煮、なんとしじみラーメンもあり慢性アルコール漬けの肝臓をリフレッシュして国道へ戻り1時間ほどで津軽三味線と太宰治誕生の地金木(かなぎ)町へ、町の中にあるはずの「斜陽館」を探して車を進めると狭く入り組んだ迷路を彷徨いやっと目印の赤いレンガ塀にたどり着きました。太宰の父で大地主だった島津家の栄華を誇る和洋折衷の店舗を兼ねた豪邸は、戦後人手に渡り旅館「斜陽館」として平成8年まで46年間使われていたそうで、軒続きの土蔵まで秋田杉や青森ヒバが使われ、縁側の雲模様の張板は北海道から取り寄せたタモ、と当世一流のコダワリに昔の大地主の財力を窺い知ることができますが、太宰自身は「品の無い作り」だと嫌っていたようです。
迷路を国道まで戻り、津軽平野の田んぼの中をひた走ると右手に山すそが綺麗な独立峰「岩木山」が見えてきます。
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