2000.2.22号 08:00配信


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流氷の世界(3)

流氷−海からの素晴らしい贈りもの(3



流氷閑話 ロシアのメッセージには気を付けろ!

(まえがき 何度も送信エラーお許しください。コンピュータ嫌いの私を知って、機械が嫌がらせをやっているのかもしれません。負けてたまるか!と決心して再々送信しています。いい加減に許してくれよと 弱気な気分でもありますが)

流氷閑話 ロシアのメッセージには気を付けろ!

 当時、私たちの流氷研究のためのオホーツク海参りはハバロフスク経由だった。ソビエト政権が崩壊して間もなくのことである。すべてが混乱のさなか、郵便、通信事情も最悪の時代だった。ここには北海道新聞の支局があり、この地を訪れる毎になにかとお世話になった。日本を発つ前、本社外信部に 何かお手伝いできることはないかと電話すると、渡りに船と重要書類の手渡しを頼まれた。  飛行機は定刻でハバロフスク空港に着いた。しかし出迎えるはずの支局長の姿は見当たらない。何か事件でも起こったのだろうと思い、ホテルへ向かった。フロントでメッセージはないかと訊ねると、貴方の階のジェジュールナヤに聞けと素っ気ない。

 ロシアのホテルでは、各フロアーのエレベータの近くに机があり、そこには大概 太ったおばさんが退屈そうな顔でデーンと座っている。ここでフロントでもらった紙切れを渡すと、部屋の鍵をくれる。ジェジュールナヤとは、このおばさんの職名で、いわばフロアーの責任者兼 世話係である。 ここで、また「メッセージはなかった?」と訊ねた。 答えは「ダー(ロシア語でYESの意)」である。ほっとして、メモを催促すると、にこにこ顔で「パトム(あとで)」との返事である。 さすがゆったりとしたロシアの心、後でもってきてくれるのだと解釈して部屋で待った。  間もなくノックの音がした。どうぞ というと同時に絵本から抜け出てきたような素晴らしいロシア美人が滑り込んできた。ジェジュールナヤおばさんではない!何かご用ですかと、我ながらうわずった声で訊ねた。

 「アオタさん?」と聞く。「ダー」と答えると、にっこりと微笑みながら勝手に椅子に座った。支局長氏 すごい美人秘書を採用したものだと羨ましい気持ち半分で話を進めるがどうもつじつまが合わない。またまた 何のご用ですかと訊ねる羽目になった。ロシア美人は、可愛い口を尖らせて「貴方がジェジュールナヤに頼んだくせに!」と怒りだした。 頭脳をフル回転して考えた。おばさんのメッセージ、メッセージ・・・???しまった! メッセージ違いだ。 嵐が去ったあと、おばさんの机に「マッサージを希望の方は申し出ください」と書いた張り紙を発見した。

 ロシアを訪れる方は、くれぐれもメッセージにはご用心!

あとがき:閑話のうちに紙数が尽きました。

次回は「流氷は国産品か舶来品か?」についての予定です。よろしく。


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