2001.5.7号 07:00配信
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『指輪の爪あと』(1971年製作)


4作目というのに、あまり有名ではないこの作品。見直してみると、実は結構いい出来でした。犯人役のロバートカルプは、この後2回犯人役で出てきますが、いずれも冷酷な性格で自分勝手な人間と言う感じでとてもよいのです。今回もそうなんです。

今回の殺人は、前回の3回の計画的な殺人と違って、衝動的な殺人。秘密を握った雇い主をゆすろうとして失敗し、カッとなって殴ってしまう。倒れたところにガラスのテーブル(かな?)で頭を打って死亡と。ここまでなら、ちょっと同情する気にもなるけど、犯人のブリマーが憎たらしいのでそういう気にもなれず。やっぱ顔かな?憎たらしい顔してんもん。

さて、今回の物申す点は、
(1)なぜ死体を置きに行った時のブリマーの車のタイヤの跡がなかったのか?見たら、土の上でしょ?あるでしょ。よく見れって。ホームズならたちどころに見つけてるな。
(2)なぜブリマーは死体をあんな空き地に捨てたのか?海にとか、山の中とかあるでしょ。探偵やっててさ、あんなに大きな組織なら簡単でしょ。ほら、あの角刈りの水兵さんみたいな人に頼めばいいのにさ。なにが物取りの犯行だよ。物取りだってもう少し死体隠すべさ。
(3)今回も自白。しかも勝手にブリマーから言い出した。最後のシーンで、『コンタクトレンズ見つかったからなんだと言うのだ?家宅侵入罪なら受ける。そのコンタクトがなんだ!!』と威勢良く居直ればよかったのに。あのシーンになったらシュンとなって自白するのはおかしい。
(4)根本的な問題。奥さんをつけてさ、愛人まで見つけてだよ、レポートも作成したのに、奥さんの性格が見抜けなかったのはなぜ?だんなさんも言ってるでしょ、『曲がったことの嫌いな女』って。そんな女にゆすったってさ、ダメじゃん。そこまで追跡しなけりゃさ。ねえ。

でもね。この作品あんまり有名じゃないかもしれないけど、前3作とは違いSEがとても良い。最後の車のトランクのシーンなんて、ドキドキするねえ。音って重要だね。まあ、音が犯人逮捕の決め手になるって言うのもあったけど・・・。また、コロンボが出てきていきなり白バイ野郎につかまるのもいいね。免許書が切れそうだっていうものいい。

実はこの作品、前回の『構想の死角』より前に出来ていたらしい。しかし、出来は『構想の死角』のほうが良かったと思えたらしく、『指輪の爪あと』が跡に回されたのだそうだ。私はそうは思わんな。評価91点

ところで、コロンボ(ピーターフォーク)の右目って義眼だって知ってました?

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