2001.10.1号 07:00配信
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『権力の墓穴』（1974年製作）

今回は思う存分楽しめました。いつものコロンボとは少し違っていて、ストーリーは複雑でなく1時間半ずっと作品に引き込まれました。ミステリーと言うか、刑事ものっていうか、作品が素晴らしいと気持ちいいものですな。おかげで就寝の時間が遅くなってしまったことがこの作品の欠点でしょうかなあ。

さて、コロンボの上司マーク（みんな次長って読んでるから、名前忘れちゃった。でも次長ってどんな位なのでしょう。かなりコロンボより位が上だって言うことは分かりましたが）は、親友のコーゴウェルが自分の妻（ジャニス）を絞め殺してしまったとを聞き、コードウェルの家に行き、ジャニスにガウンを着させ寝込みを襲われたようにし宝石も取って、こそ泥の仕業だと工作した。そして、自分の家に帰りベランダから、ヒューの家に泥棒が入ったと奥さん（マーガレット）に言い警察を呼ぶ。もちろん奥さんには何も見えない。次の日、次長は記者会見をし、自分の奥さんも犯人を見たようなことを言った。そして夕食をとりに家に帰った時、入浴中の奥さんを溺死させる。目的は奥さんの莫大な遺産。そして、今度はコードウェルに自分の殺人に協力しろと迫る。夜ヘリにのって自分の家近辺を飛行中なんと犯人（コードウェル）が自分の妻をプールに投げ込むところを発見。急いで駆けつけるがもう死んでいた。しかし、コロンボは当日授賞式があるのに袖の敗れた服を着ていたこと、肺の中から石鹸が発見されたこと、はじめの事件でもガウンの着方に問題があることが決め手になり、次長とコードウェルの共犯だと決める。なかなか証拠がないが、いつものごとくコロンボは罠をかけて次長を逮捕する。どうやったかは、見てのお楽しみ。

今回はよかった。ストーリー的にもいい作品だけど、あまり遊びがないもの。コロンボが警察署で働く姿をみられるのも多分これだけ（宿直の時はあったけど）だろうし、宝石店の女性店員も良かった。（でもどっかで見たことある人だなぁ）それと、コードウェルにガウンの事を聞くのにたんすの指紋の話をするところなんて、とても言い。見習いたい。奥さんの嘘を見抜くにはまず外堀からですな。まぁ、あんまりカミサンの話も、犬も出てこなかったけど、今回はみてほしい。何回観てもいいかもね。ただ、車の故障は出てこなくていいな。1回でいいよ。何回も故障するなんてさ、ナンセンス。

しかし、偉くて地位もあり、きっと高給取りなのにお金はほしいんだなあ。人間お金となると欲が出るね。億の金が自分の物になるんじゃそれも無理ないか。しかし、風呂で殺すかね？泡風呂で溺死したら、石鹸が肺から出てくるのは分かりきってることだろ？自分だってそういう事件担当したんでしょ？待てよ、キャリア組だから事件は直接担当してないかも。さらには、夕方溺死させて、夜コードウェルにプールに投げさせたとして死後硬直は？人間って死んだ後血が下にたまってブス色になるんでしょ。仰向けに保管したとしてもかなり固くなって色もおかしいはず。プールから抱き上げてみんな寄ってきたら、今死んだんじゃないって分かるしょや。あんなに警官いて不思議に思ったのはコロンボだけって・・・。（まぁそうじゃないと物語り進まないけど）それにしても、次長はいつ自分の奥さんを殺害しようと考えたんだろう？コードウェルが奥さんを殺したと言いに来てからすぐなのか？それにしては計画が上手。ずっと計画してチャンスを待ってたのか。んー。謎。

さてお楽しみのコーナー
・コードウェル宅に捜査にきたとき、2階の部屋のたんすの中を見ようとする。指紋をつけないためにコロンボは胸のポケットから鉛筆を出す。何にもおかしくないけど、いつも鉛筆を探しているくせに、何でこういうときだけさっと出てくるの？しかも長い鉛筆。あのちびた鉛筆はどこ？もしかしていつものあのしぐさはわざと？
・コロンボの車は15万キロも走ってること。しかも下取り80ドル。80ドルって２〜３万って事？でも15万キロ走って下取り価格あるってことはプジョーだから？
・そろそろ佳境に入ってるころ、ダフィー警部のところにコロンボがいて、次長がやってきてファイルを見るところ。「あぁ次長おはようございます」といってコロンボはコーヒーを飲み干すが、次のバックショットでは、落ち挙げるのも難しいほどコーヒーは満タンに入ってる。秘書さんが入れてくれたのかな？
・それにしてもこの次長。鍵を開けるのがうまい。コードウェル宅でもそうだし、最後のアパートでも、カードひとつで開けちゃった。警察学校ではそういうことも教えてくれるのかしら。

ところで、今回登場のダフィー警部。彼はコロンボの部下？ではないね。まぁ、同僚ってところかな？彼がこんなに出てきたのも珍しい。彼はね、どこで次長が犯人だってコロンボに打ち明けられたのかなあ。最後まで知らなかったわけないし。だって決定的な証拠を提示された時も全く驚いてなかったしね。次長宅でタバコ吸うときもカッコよかったし、自分のオフィスでコロンボとしゃべる時もカッコよかったなあ。中年オヤジの憧れだね。ちょっとカッコ良くて。

さて、評価ですが、ドラマ的には素晴らしいし、最後のどんでん返しもかなり良い。100点あげたいところだけど、殺し方が美しくないし、もう1つ名作が残ってるから99点。小数点なし。

【コロンボのインデックス】



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