今回は道東にある建築家設計の建物を幾つか紹介したいと思います。建物の構成と僕の個人的な感想です。
先ず清里町にある「ホテルポリーニャ」です。
ホテルポリーニャ(清里町)
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これは世界的建築家の伊東豊雄さんの設計です。 細長い部分が26室の客室になっていて、楕円形の部分はパブリックブロックです。パブリックにはレストラン・バー・ホールなどがあります。僕は伊東さんのファンなので、こんなに近くで伊東さんの建物が見れるのは幸せです。何度か見に行きましたが、いつも人影が無くて少し心配になりますが、頑張って経営を続けてほしいと思います。そうでないと建物の中を見学出来なくなってしまうのでとても困ります。
建物は道路と川の間にあるのですが知らない人が見ると多分ホテルには見えないでしょうね。工場か何かに見えるのではないでしょうか。 基本的にコンクリートと鉄とアルミとガラスで出来ている建物なので見る人によっては冷たく感じるかもしれませんね。楕円の部分から建物の中に入るのですが、両側に水が貼られていて中庭のような空間を進んで行くと玄関があります。緊張感があってとても気持ちがよいアプローチです。 玄関を入るとフロントとロビーがあって、奥にレストランとバーがあります。その間に中庭があって、玄関からレストランまで心地良く透明感があります。客室には入ったことが無いのですが、客室に通じる廊下が心地良い。片方が全面ガラスブロックになっていて、ストレートな廊下なのですが感動的な空間なんです。僕は他にも伊東さん設計の建物を幾つか見たことがあるのですが、他の建築家の設計した建物と違うと思うのは建築家が未来の生活を信じていてそれをある意味でモラルに提示している。空間内に入る人にもそのエフェクトは及んでると思うんだけど、伊東さんの建物はそういったものを体験はしても背負わされないのが気持ち良い。
次に紹介する建物は上湧別にある「上湧別町ふるさと館JRY」です。設計は渡辺豊和さんです。ポリーニャとは対照的な建物だと思います。僕は苦手な部類の建物なのですが、良い建築だと思います。上湧別町がどう言う経緯で渡辺豊和にたどり着いたかにとても興味があります。どなたか知りませんか?
上湧別町ふるさと館JRY(上湧別町)
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外観はすごい形をしていて、「うわー」と言う感じなのですが、中に入ると巨大な吹き抜けとかがあるわりに空間を感じないというか・・・。毛綱さんや高松さん、そして渡辺豊和さんの建物は好き嫌いに関係なく無視出来ない建物だと感じます。 釧路の毛綱さんの建物もそうだけど、あまり長居したくない感じがする。建物の中にいると何だか押しつぶされそうな感覚。内向的なのでしょうね。何れにしても実際に建つと言うのは凄い事だと思います。
人の感覚はそれぞれなので渡辺豊和さんの建物が心地良いと感じる人もいれば、伊東さんの建物が良いという人もいるわけで。 道東だけでこれほど対極な建物を見れるのは幸せな事だと思いますね。皆さんも見比べてみて、感想などを聞かせて頂けるととても参考になるのですが。掲示板によろしくお願いします。
次回は、「関西に建築巡り」に行ってくるので、そのレポートなどをしてみたいと思います。
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