2001.10.15号 07:00配信
ホルスタインから搾り出された牛乳は、生乳として出荷されます。出荷時の生乳の成分は、脂肪3,8、タンパク3,2、無脂固形8,8程度が平均です。これを調整し飲料乳や乳製品として、消費者の元に届けます。(例えば、‘3,6牛乳’とは脂肪分が3,6に調整されているという事です) 数年前までは、『生産調整』という規制が行われ、出荷が制限されていました。そのため、牛郡の頭数が多く沢山搾れる牧場でも、余分な牛乳は、やむおえず廃棄しなくてはなりませんでした。今でも需要と供給のバランスが崩れると乳価が下がる事があります。今回の狂牛病のように、様々な情報・知識が入り乱れすぎると需要が減るため、必然的に乳価が下がる事になります。 出荷時は、異物混入はもちろん、生菌や体細胞数などの厳しい検査をクリアしなくてはなりません。生菌数は、搾乳環境の衛生やバルククーラーの冷却設備等、ヒトの努力で最小限に押さえられるものですが、体細胞については、その限りではありません。これは、ホルスタインの乳房炎という病気により数値が上がる事が多く、乳房炎軟膏という抗生物質を乳頭に投入し治療を行います。治療中は出荷を停止するため乳量にも影響を与えます。抗生物質は異物ですので、誤ってバルククーラーに混入した場合、クーラー全ての牛乳を破棄。万が一、タンクローリーに混入した場合は、ローリー一台分(約10トン70万円)の生乳代が罰金として請求されるのです。 飲料乳・乳製品は生乳として出荷されてから、みなさんの家庭に届くまでに、あらゆる工程を経ています。みなさんは、沢山の製品の中から、自分の好みによって飲料乳や乳製品を選ぶ権利と、自分が口にするものに責任を持つ義務があります。これは安全、これは危険と机上論議を繰り返すより、生産の現場や加工の工程に足を運び、自らの目で確認し製品を選んで頂けるように希望します。これは、飲料乳・乳製品ばかりでなく、他の全ての食品に同様に言える事だと思います。そうする事により、みなさんが安心し、健全な食生活を送る事が出来ると確信しています。 |