「ボランティアは分かるけど、なんでネパールなの?」と、友達は口をそろえて私に聞く。
なんでだ? しいて言えば、なんとなく。2年前までは、ネパールなんかに興味はなかった。海外ボランティアガイドはちょっと買ってはみたが、どうせなら、イギリスやカナダへ行きたかった。
始まりは98年の春。
友人宅に、ホームステイで警察官のお客様が来た。彼はネパール話に花を咲かせ、素敵な唄を披露して帰っていった。
ある日、私が所属していた手話サークルで、カトマンドゥに、手話しか使えないレストランがあるという話題が出た。
とあるTV番組で、ヒマラヤ山脈頂上の光景を見た。
それからしばらくして、ネパール展示会が近所の図書館で開かれているのを見かけた。青い空、一面小麦色の畑、笑顔の人々。すばらしい写真が並び、私は魅せられた。
「ネパールへ行きたい。
観光旅行じゃなくて、何かやりたい。」そう思った時、ボランティアガイドで点字本製作のスタッフを募集していたことを思い出した。99年11月末、私はついにネパールへ旅立ち、とてもすばらしい経験をして帰ってきた。ただの興味が、今は、何か彼等の役に立ちたいという、強い思いに変わっている。始まりはちょっとした興味、ちょっとしたきっかけ。
でも、なんでネパールだったのかな。ま、しいて言えば、なんとなく。
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