2000.12.14号 07:00配信
♪ジングルベル、ジングルベル、鈴が鳴る。今日は楽しいクリスマス、イェイ〜みたいなノリで、12月の日本では、街中がすっかり赤と緑のクリスマス色に染まる。広場にクリスマスツリーが飾られたり、デパートのショウウインドウでサンタが踊っていたり。クリスマス時にイベント気分になる癖がついていた私は、てっきり、ネパールでもワイワイ盛り上がるもんだと思っていた。 が、12月半ばを過ぎても、街中は割と静か。クリスマスらしき飾りがしてあるのは、ごく一部。王宮通りの外国人向けお土産物ショップぐらいだ。職場でも、「クリスマスにはうふふ♪」なんて話はおろか、プレゼントやケーキの話さえでなかった。いつもの事務所。いつもの会話。あまりに何もないので、「そろそろクリスマスだよね。」と自分から切出してみた。しかし、「ああ、そうだね。」とさらっと流された。「日本じゃクリスマスはビッグイベントだよ。あっちこっちでツリーやリースを飾ってるしさ。まずケーキは絶対食べるね。家でぼ〜っと過ごす人や仕事で忙しい人もいるけど、友達とパーティを開いて騒ぐ人は、結構いるよ。カップルだったら、デートしてうひゃひゃだね。」と答えると、「なんで?キリスト教徒は少ないんでしょ。」と返された。 う〜ん、成程。そりゃそうねと思った。思ったが、私はおちゃらけ日本人。クリスマスは楽しく過ごしたい病にかかっている。しかし、皆に大振舞いするお金もない。そこで、日本から持ってきた折り紙やその辺の厚紙で、パーティグッズを作った。切り貼り、カキカキすること1時間。出来上がった作品は3点。輪っかの首飾りに、目玉模様メガネ、メリークリスマスハット。なんだか、幼稚園の紙遊びみたいになったが、全部付けるとなかなかおかしい。よし、これを使って、無理やり盛り上げてやる。音楽がないのが寂しいけど、自分で歌えばいいや。あとは、ケーキを買って準備OK。 そして、迎えた24日。♪ジングルベル、ジングルベル、鈴が鳴る。今日は楽しいクリスマス、イェイ〜のノリで仕事へ出掛けて行った。「ハァ〜イ!メリークリスマス〜!」と事務所に入っていくと、みんはきょとんとした目で私を見た。「何?」「何じゃないよ。ほらほら、これ見て。じゃじゃ〜ん!」とおバカ3点グッズを出すと、狙い通りめちゃウケ。なんじゃそりゃ〜と思いっきり笑われた。端から一人ずつ装着し、カメラで、はいパチリ。たまたま遊びに来た人にも付けさせ、はいパチリ。2Fにも持って上がり、はいパチリ。 笑われ倒した次には、クリスマスソングを2曲披露し、買ってきた小さなケーキを山分けした。みんなご満悦。「日本じゃ毎年こんな事をするの?」と聞かれたので、「時々ね。」と答えておいた。もしかすると、日本人はクリスマスには、浮かれ騒ぎまくる国民だと思われたかも知れない。時計や指輪なんて高価なプレゼントが貰えるなんていいね、と羨ましがられたかもしれない。確かに、お洒落なお店で食事をしたり、派手にどんちゃん騒ぎをするのは楽しい。だけど、今日みたいな、ちょっとだけ祝うクリスマスも私は楽しいかった。たいした事はしていないけど、こんな事一人でしてたら、それこそバカじゃん。みんながいるから、色々考えたりしたんじゃないか。一緒に騒げる友達がいる。一緒にくつろげる家族がいる。クリスマスを一緒に過ごしたい大事な人がいる。そう思える事で幸せな気分になれるのが、楽しいクリスマスだもんね。 さて皆さんは、どんなクリスマスを過ごしたいですか?
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