2001.2.13号 07:00配信
毎年2月半ばのお祭りと言えば、シヴァ神を祭ったシヴァ・ラートリー。シヴァは、ヴィシュヌと並ぶヒンドゥー教の最高神。四手、四面、三目を持ち、特に第三の目は全てを破壊する力があるという。別名も沢山あり、アジャ(不生)、バフルーパ(多くの形を持つもの)、マハーヨーギン(偉大なる修行者)など数えれば切りがないが、訳分からなくなるので説明はここまで。 とにかく、シヴァを祭った寺院パシュパティナートは、毎年、熱烈な巡礼者でごったがえすこと凄まじいらしい。私も早速、友達夫婦と参拝しに行った。ヒンドゥー教徒でもないのに。お寺に近づくと、いかにもお祭りらしいざわめきが聞こえる。入り口には派手なゲートが立てられ、道端には沢山の露店が並んでいた。ネパール、インド各地から、バスは100台以上、参列者約700,000人が集まるこのお祭り。ネパールにはこんなに人がいたんだと思うくらいだ。 「あれ〜!助けて〜!」「きゃ〜!まにしゃさ〜ん!」という光景を想像していたが、寺院の敷地は広いので、歩けない程ぎゅうぎゅうではなかった。凄いのは、行列。お寺の中に入ろうと思うと3,4時間は並ぶらしい。徹夜組みもいたようだ。私は仏教徒だから、どうせ中には入れない。しばらく進むと道をそれ、丘の上から眺めることに。「じゃあ、ジュースでも買ってくるよ。」と友達は露店へ走った。 「おお〜、並んどる。並んどる。」とぼ〜っと眺めていると、一人のサドゥー(巡礼者)が近づいてきた。彼は私の頭に花びらを振りかけ、ティカ(祝福の色粉)を額に付けてくれた。「おお、ダンニャバード。」と礼を言うと、おもむろに手を出すサドゥー。どうやら金が欲しいらしい。なんだい、勝手にやったんじゃないと思ったが、縁起モノなのでお支払いした。ええっと、いくらがいいかな。お、丁度2ルピー(約3.5円)がある。これでどう?とポンと渡して去ろうとしたが、また引きとめられた。2ルピーじゃ不満らしい。いくらがいいの?と聞くと、彼は私に向けて手を広げた。希望額は5ルピーらしい。もう、しょうがないわねと財布に手を掛けた時、友達が来て私を連れ去った。「あれは彼等のビジネス。勝手にやってきたんだから、1ルピーでもいいんだよ。」だって。まあ!ただお参りにくるだけじゃない人もいるのね。またボラれるところだった。危ない、危ない。 帰りに、大通りに並ぶ露店をのぞいた。サリー服屋、お祈りグッズ屋、シヴァ神のプロマイド屋など、あれこれ楽しいお店があった。。音楽を流している店も多く、色々な音が混ざり合って怪しげなBGMになっている。その横で、ヨガに明け暮れる人、焚き火の炭を体中に塗っている人。長ひげインド信者集団にはびっくりしたが、多くのパフォーマーにもびっくりした。この日ならではの光景だ。 その夜、ペンションサクラでは、焚き火を囲んでアルァという祝い菓子を食べた。作り方は以下の通り。 1.鉄の深鍋を熱し、水牛のバターを溶かす 2.小麦粉を山盛りに入れ、水で溶かした砂糖1カップを混ぜる 3.熱しながらひたすらかき混ぜ、ジェラート状になったら出来あがり 4.お皿に盛り分け、野菜かフルーツを添えて、いただきま〜す♪ さすが祝い料理だけあって、作り方も豪快。味は以外に脂っこくなく、甘くておいしい。カロリーも気にせずパクパク食べ、お喋りをして本日終了。 ああ、楽しかった。昼間は、「ひゃ〜すご〜い!さすがネパール」と騒いでいたが、日本の伝統祭りだって、外国からみれば「ひゃ〜すご〜い」モノだろう。こんなお祭りがまたあったら、是非また参加しようと思った。ヒンドゥー教徒ではないけどね。
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