まずは基地内拝見である。「ドームふじ観測拠点」と書かれたでっかい看板の横にある小さなドアを開けて中に入ったらそこはなんと冷凍庫であった。と言ってもここは年間平均気温ー57℃、まあ世界一でかい冷凍庫の中に立っているようなもんで、暖房が入っていないところは全部超低温冷凍庫だから、驚くには値しないが
そこはまだ新参の「ドーム基地越冬隊」、なんとなく感心してしまった。
いよいよ建物の中へ。「うっ暗い!!!」強烈な紫外線を20日間も浴びてきた目には基地の中は真っ暗に見えた。基地内の第一印象は、古い倉庫の中に裸電球をつるして板で通路をつけたような、まだ建てられて3年しかたっていないはずなのに・・・古い!!そういえば初めて越冬隊に参加した30次の時、あの有名な「昭和基地」はどんなところだろうと、土方仕事の合間に4輪バイクをとばして個人見学としゃれこんだ目に飛び込んできたのは、まるで山奥の工事現場の飯場というか、見たことはないけれどたこ部屋というか、余りの汚さに「ゲッ」と思ったのを彷彿とさせるものであった。
基地内の建物(全部パネル工法のブレハブ仕様)は、居住棟・食堂棟・観測棟・医療棟・発電棟のわずか5棟で、それに付随するように、深層掘削用のドリルが設置している施設が、通路でつながっているだけで、昭和基地の50棟以上ある建物の数から比べると、まさに零細・過疎・小規模・田舎・テント村とあらゆる言葉を並べ立ててもその規模は「てんとうさんと番頭さん」、「月とすっぽん」、以上のの違いがあった。この基地で一年間生活していた越冬隊員はと見てみると、それぞれ国立極地研究所・**病院・気象庁・北大と、それぞれ堅気の?組織から参加しているのに、腰までの長髪ありピアスあり、仙人髭ありとみんな、全員、すべての人達があぶないおじさんの雰囲気をぷんぷん漂わせていた。あの例のぼやきの宮嶋氏。一言「ここはオウムのサティアンですわー」「1年間たつとみんなこんな風になるんだろうか?????」と思ったが、もう後戻りは不可能である。ちなみに私も越冬終了後「しらせ」に戻って「自然食屋のおやじみたい」と言われた。
「ドーム基地廊下」 提供:第38次ドーム越冬隊
注意:写真はすべて国立極地研究所に属します。
個人で楽しむ以外(メディア等への掲載)は禁止します。
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