2000.1.28号 09:00配信


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第38次南極地域観測隊 ドームふじ観測拠点越冬隊

「食と生活の記録」より/by 西村淳



「到着!大雪原の小さな家2」

朝になっていよいよ最後の行程である。隊列を整えて出発準備も整ったとき、例の「ぼやきの宮嶋カメラマン」がダッチワイフを持って、「みゆきターボ」と名付けた我が愛車SM105に乗り込んできた。「週間文春の編集長にこれを南極の大地に立ててこいと言われたんだけど、他のどの車もいやがって、なんとかなりまへんやろか・・・・ほんましゃれにならんですワー」としゃれにならない一言・・・。と言っても自分の車の上にも本庁から預かってきた「保安庁旗」がひるがえっているし・・・「まあ週刊誌に載ることもないやろ・・・・」と考えたのがあさはかであった。

越冬が始まって2〜3ヶ月程たったとき、日本から送られてきたFAXに、なんと正面からアップで撮った雪上車の屋根の上で、高々とひるがえっている保安庁旗の横に口を「ガバー」と開けている南極一号ならぬ「まいちゃん」が仲良く並んで写っている写真が掲載されているでないか!!  訓告・戒告・依願退職の三文字が飛びまくったが、なんのおとがめもなく無事に巡視船に戻れた所をみると時効成立と解釈した。参考までにこの写真を見たい人は新潮社から刊行されている「不肖宮嶋 南極観測隊に同行ス」と言う本にアップでどーんと載っているが、お勧めはしない。

12:00カップヌードルとおにぎりの昼食を済ませいよいよ出発時間。 一直線に並びドーム基地に向かった。蜃気楼のようだった基地のシルエットが段々はっきりした形をなしてきた。遠くから見たときに建物だと思ったのは、アングルとドラム缶と足場板で組み上げられた物資を集積しておくための棚。南極言葉でデポ棚だとわかったのは200〜300m位に近づいてからであった。越冬を交代する前次隊の37次隊は先発隊5名がもう昭和基地に帰ってしまっていたので、残留4名での出迎えである。気象庁から参加している池谷隊員がお約束のバニーガールの格好で道案内をしてくれ、7台の雪上車は遂にドームふじ観測拠点に到着した。


「デポ棚」 提供:第38次ドーム越冬隊
注意:写真はすべて国立極地研究所に属します。
個人で楽しむ以外(メディア等への掲載)は禁止します。



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