2001.10.21号 13:00配信


南極のドーム基地住人だった西村淳の
アドベンチャークッキング2
【気ままに語る食と人の話】

超スピードウェディングパーティー1


竹内君と言う青年がいる。性格は温厚にして誠実。顔は麺屋佐吉とか言うラーメンのCMに出てくる杉本哲太にそっくり。趣味は自炊と車にベースギター。まあ今時の若者である。そんな彼に彼女が出来た。口数は少なく、あまり自分の事をべらべら喋る奴ではなかったが、私に対しても、もし喋ると「世界の果てまでばらされる」とでも思ったのか・・・今ばらしてる(^_^)v とにかく沈黙を守っていた。

職場ではいわゆる上司と言われる立場にいたので、部下の動静は把握しておかなければならないのだろうが、私生活に干渉しないと言うか、人の動静には基本的に淡泊な人間なので、彼女が出来た事はまったくきづかなかった。そんなある日、娘を中学校まで迎えに行って、当時住んでいた紋別の官舎に帰ってきた。車を止めてふと前を見ると、一台の車が滑り込んできた。すらーっとした後ろ姿は、いい女(前は見えなかった)が降り立った。独身者が居住する棟に入っていった。すぐ後をつけていって、「誰の所に行くのですカー??」なんて事は、いくら奥ゆかしさ・羞恥心なんて言葉を捨て去って、早数十年になろうとしているオヤジと言えども、とても聞けなかった。

しからばあきらめたのか??最後に残っていた理性のかけらで辛くも、ストーカー行為はしなかったものの生まれついての、持って産まれた好奇心は止める事が出来なかった。横に乗っていた娘に「友花!!こっそり行ってどこに入ったか確かめてこい!!」普段は「めんどくさい、興味ない、だっせー、きもい、むかつく」の五言語を駆使して体力と言うアイテムをすべてバレーボールに注いでいる娘も、事が若い女・夜・一人で男の家・と思春期を迎えつつあるコギャルにはまさに禁断の果実の様に響くこの状態にガスタービンエンジンでもついていたのかと錯覚する程凄まじいスピードで、車を飛び出していった。

やがて帰ってきて一言「一階で香水の匂いは消えていた。」一階となると、同じ職場の竹内君と通信科の「F君」。彼女が出来る確率として、海上保安大学校を卒業して、偏差値も高そうな「F君」の方が高いのではないかと、勝手にオジサンは邪推して、「攻撃こそ最大の防御なり」と即効で「F君」のドアチャイムを鳴らした。パンツ一丁で、缶ビールとテレビのリモコンを持って「どうしたんですかー???」と出てきた。

彼女が消えて時間にして3分50秒あまり、いくら異性に枯渇していたとしても、入ってきてすぐパンツ一丁にはならないと思い、「失礼しましたー」で退散。なぜかお向かいの「竹内君」だとは思わなかった。今考えてみると、魔よけのお札でも貼ってあったのかもしれない。

「松さんじゃないの・・・・」と娘。
「いやそれはない!!!!!」と断言する私。
かつてはwebnews上でしきりにNET軟派をしていたが、魚が引っかかった様子はなく、寂しく撤退してどうしているかと思っていたら、なんと見事彼女が出来て、今は幸福絶頂の「村松 亮一 君」だが、この時は女のオの字も考えられず、ましてやこっそり訪ねてくるなんて、とても・とても・・・。

すると誰なのか??翌朝通勤間際の竹内君に聞いてみた。
「あの車の持ち主、誰の所に泊まりに来たんだろう?」
それに対して「さあーわかりませんネ」
これでますますわからなくなった。



今は彼女が出来ている筈のマツの酔っぱらい顔


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