「こけの一念」というか「信念」と言うか今回ドーム越冬隊に参加して一番明確な目標を持って望んだのが福田隊員ことドックであった。いろいろなテーマを持って参加したのであるが、それはおいおい話すことにしてまずはその中の一つ「料理を作れるようになる!!」話を一つ。
ある日決然とドックは宣言した。「水曜日の夕食は私がカレーライスを造ってよろしいかしら・・・。」誰もが冗談だと思っていたが、冗談ではなかった。その後一年間越冬終了まで、水曜日の夕食には、ドクターはカレーライスを出し続け、「ドックカレー」なる立派なブランド商品としてドーム基地の名物料理の地位を立派に気づきあげた。とにかくこの人は力が有り余るほどあるので最初はせっかくトロトロに煮込んだ肉類も仕上げの段階で、力任せに混ぜるため肉と言えば繊維質のみが残る「ドロドログッチャリカレー」だったが最終段階では生意気にも、ガラムマサラとチャックマサラを使い分け、その辺の「カレー専門店」が謝りそうな作品と言えるまでに成長した。
ただし使う肉は冷凍とは言え、豚は黒豚牛は米沢、松阪等のサーロインやヒレ肉をおしげもなくたたき込むのだから、まずかろうはずがなく、カレー屋にデューダしても採算割れでたちまち倒産に追い込まれるだろうが、味は今思い出しても「うまかったなあー!!」。現在は単身赴任先の「砂川市立病院」で看護婦さん相手にたまに腕をふるっているそうであるが、まさかそのために料理を覚えようなどと思っていたのでは・・・・・でも思い返してみると、ドックが覚えたがった料理ってカレーの次には「ブイヤベース」をリクエストしてきたところを見ると案外「料理もプロ級の麻酔科医」を目指していたのでは・・・。これにワインとサラダとキャンドルの光でもあれば・・・やられた!!
これに感づいたら奈良から川村の兄ちゃんは叫ぶであろう
「このスケベ親父!!!!」
「福田ドクターのエプロン姿」
「カレー製作中」
注意:写真はすべて国立極地研究所に属します。
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