1997年7月16日、私のドームでの無二の親友にして、ストレス解消係にして、ペットの福田ドクター46才の誕生会が開催された。本当のバースデイーは17日だが、一日前倒しで開くことにした。
最愛のドクターに「何でも好きな物作ってやるよー」と投げかけると「北海道のお魚をメインにした料理でそれに世界の三大珍味を混ぜて、そうだ!ミッドウインターで食べたフォワグラのサラダ食べたいなぁ・・・」とってもわかりやすい答えが帰ってきた。このフォワグラサラダだが、フレッシュフォワグラを分厚く切り、フライパンで素焼きにし、表面がパリッとなった所で醤油を投入し、大皿に盛ったレタスの上にジュージュー泡立つ油ごとジャーッとかけた物である。
熱いフォワグラの油と醤油をドレッシング代わりにして大量のレタスを食する、贅沢と言えば贅沢、日本で作れば「オテル・ド・ミクニ」の三国シェフあたりに「邪道だー!!」と一喝されそうな一品だが、食感が「ネチョ・・・」ではなく「パリッ」としたフォワグラは「とってもおいしい」とみゆきちゃんが言っていた。レバーが大の苦手の彼女が、「うまい!」と言っているのだからうまいのだろう・・・。恥ずかしながらこの私、たまに趣味でやる「御食事会」でフォワグラを使って料理する事は多々あるのだが、実は食ったことがない。大体出して3.8秒位で、このフォワグラサラダは皿の上から消えてしまうので、「さて・・・」と席に着いた時には冷えかかった油の染み込んだレタスの残骸にしかお目にかかれない事になっている。まあ残されるより、おいしくいただいてくれた方が料理人としてはうれしいのだが、それにしてもその内、フォワグラのステーキを腹一杯とは言わないが、「ああ食ったー」と言えるくらい食してみたい物である。
あまりうまくなかったりして・・・・。
ともかく「日本にいるときはばりばりの麻酔医、今は只の飯場のオッサン」福田ドクターに敬意を表してリクエストの品は全部取り入れてメニューを組み立てることにした。
「今日もドクターは元気です」
注意:写真はすべて国立極地研究所に属します。
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