1997年8月17日、長く辛かった冬に終わりをつげるプレリュード、太陽がついに南極の地平線に姿を現した。日本では毎日夜明けがやってくるが、ここでは印象から言えば出っぱなし・沈みっぱなし・出っぱなしの感じで、おおざっぱに夏隊は日帰り旅行、越冬隊は一泊二日旅行の感がある。人間はやはりお天道様の下で活動するように作られているらしい。気分も浮き浮きしてくる。もう少しで「昭和基地」から補給隊がやって来て、「しらせ」が日本からやって来てそして帰国の日が確実に一歩ずつ近づいて来る足音が聞こえてくるような気がする。
実際にはまだここの暮らしも4ヶ月以上残っているのだが、明るい時間が戻ってきたと言うだけで、今まで唐天竺より遠い夢の世界だった下界が、雪上車で15分位の距離に縮まったような気がしてくる。本屋もレンタルビデオもコンビニもスーパーもワイドショーもなにもかも近くなってきたような気がしてきて、歩くリズムもメリハリがついて来るというかテキパキというか、とにかく何となく体の中からエネルギーが沸き上がってくるようで太陽光の温かさが全身に染み通ってくるような一日だった。
夕食時は気持ちもハイだったせいか「スタミナつきそー」をずらりと並べた。MENUは
・馬刺 にんにく醤油
・肉団子と高野豆腐のスープ
・もずく酢
・まぐろの山芋かけ
・納豆の巾着あげ
この夕食のせいか、この日開店したBAR「ピンクのえてこう」・・いつも名前が変わる。では深夜までみんなが大騒ぎをし、最後には色とりどりのマジックインクが持ち出され、「大ボデイペインティグ大会」となった。どこかの特殊部隊の迷彩模様のようにみんなの顔はこてこてに塗られ、おまけに「福田ドクター」泥酔のあげく3分間¥1,600の衛星電話を、30数分日本の誰かに延々とかけていたが、それが奥様か愛人?かは発表すると大騒ぎになるのでお伝えできないのは残念である。
BARの狂乱風景
BARの狂乱風景
BARの狂乱風景
初日の出
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