1999.11.28号 11:00配信


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このコーナーでは、木工芸に携わったことで気づいた、木のこと、木にかかわることを中心にお話します。
pine




NO.9 年輪

 年輪は木の成長の記録で一年に一本ずつ増えて行く。輪切りにした幹の木口に年輪があらわれるが、正円に近いほど真っ直ぐに伸びた証拠。良く山で道にまよったら切り株の年輪を見ると方角が分かるというが、その理由は、年輪の幅の広い方が南というもの。日当たりの良い方が成長が早いので年輪幅が広くなるという。でも南側に太い木があって日陰になっている木や、北の斜面に生えている木はどうなるのだろう、あまりあてにならないと思うが、でも年輪はたしかにその木の成長を記録している。天候の悪いとき、栄養状態の悪いときなどは年輪幅が狭いし、急斜面に生えている木の芯は必ず片側にずれ、ゆがんだ年輪になっている。年輪を解析する事で、過去の地形や気象状況が解るという。高山帯に生える岩松は、幅1mmに年輪が3本を超え、直径10cmくらいの太さになるのに3百年近くかかる成長の遅い木もある。木目は年輪により作られ、人はその木目惹かれ緻密さに感動する。


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