2000.3.5号 18:30配信


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このコーナーでは、木工芸に携わったことで気づいた、木のこと、木にかかわることを中心にお話します。
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NO.15 桶と樽

 桶と樽、どちらも木の板を竹や鉄の輪で束ねた主に液体を入れる容器のこと。古くから使われているが、その材料となる板の利用の仕方がそれぞれ異なる。木の板には柾目(まさめ)と板目(いため)の面があり、丸太を縦に順にスライスして行くと、芯の近くになって初めて柾目があらわれる。巾の広い面が縦に平行な木目であれば柾目の板、タケノコ状の木目であれば板目の板と呼ばれる。板目の面はカンナがけの際に逆目と順目が生じる、これはタケノコ模様でわかるように上下に方向性があるということ。柾目の面にはこのようなことはない。針葉樹はこれら木目の違いがはっきりしているが、広葉樹はわかりづらいものがある。
 一般的には柾目の板でつくられたものが桶、板目の板でつくられたものが樽と呼ばれている。有名なところではウイスキーやブランディー用の楢の木の熟成樽、酒類の貯蔵には樽が多く用いられている。また、すし桶や風呂桶のように、桶は針葉樹を使うものが多い。桶や樽には、木の持つ特性を細やかに活用する知恵や技術が詰まっている。



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