このコーナーでは、木工芸に携わったことで気づいた、木のこと、木にかかわることを中心にお話します。
pine
NO.16 白樺
北海道のイメージカラーといえば森や畑の緑、海や空の青、そして雪の白などが思い浮かぶ。北海道の樹木といえば常緑の針葉樹、でも本州の観光客に人気のあるのは広葉樹の白樺、白い木肌が冬の北海道のイメージと合っているのかも知れない。白樺は、楊枝やスティックなどに使われているが、ほとんどはパルプの原料になっている。白樺は荒れ地に最初に芽吹く樹木の一つで、成長が早く寿命が短かく、そして腐れやすく次の世代の土となる。白い木肌は献身的な樹木にふさわしい清楚な色だ。今年は道路縁に、雪の重みでアーチのように曲がった白樺をよく目にする。曲がった白樺は元に戻れない、いずれ枯れる運命にある。白樺のもう一つの利用に、樹液が飲料として製品化されている。樹液は春先に幹に挿した細い管から採集され、煮詰めるとシロップになり、さらに煮詰めるとキャンディーができる。また、白樺で作った木炭は、ウオッカの製造には欠かせないものらしい。
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