2000.7.8号 10:30配信


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このコーナーでは、木工芸に携わったことで気づいた、木のこと、木にかかわることを中心にお話します。
pine


NO19 木目

 木製品は一つとして同じ木目の製品は無い。これが木製品の特徴でもあるが、人工のプリント合板が出回り、同じ木目が大量生産されるに至って、これら基本的なことも忘れ去られてしまった。
利用者は当たり前のように同じ木目のものを求めている。木製品のデザインは木の質感と木目を生かすことが最も重要なことで、木目を生かすため木目を断ち切らないラインを指向するため、どうしても丸みを帯びた形となる。しかし、鉄やプラスチックの軽快なデザインに馴らされた利用者には、つい野暮ったい姿に映ってしまう。逆に鉄やプラスチックのデザインを木に要求しているのが実状である。結果として木目調製品がはびこることとなるが、それだけ木目が求められていると納得するしかない。昔は通常の木目に飽きたらず杢(もく)という特別な木目が珍重された。杢とは木の成長がこじれたところの木目で独特の模様が美しく、よく家具などの前板などに使用されていた。


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