このコーナーでは、木工芸に携わったことで気づいた、木のこと、木にかかわることを中心にお話します。
pine
NO20 樹液
子どもの頃、春のかた雪の上をノコと一升瓶を抱えイタヤ楓を探したもの。太い幹にジグザグにノコを入れ、流れ出る樹液を一升瓶に受けた。翌日取りに行くと樹液が瓶いっぱいに溜まっていた。集めた樹液は鍋で煮詰めシロップにする。当時はイタヤの蜜と呼んでいた。今でも人里近くの太いイタヤ楓の幹には、ノコの大きな傷跡が残っている。このイタヤの蜜が外国から輸入されているメープルシロップと同じものと知ったのは大人になってからだった。木は地中から水分、養分を吸収し葉に送り成長する。樹液には様々な栄養分が含まれている。最近は白樺の樹液も健康飲料としてスーパーなどで売られているが、美味しい樹液は山ブドウの樹液。山ブドウの蔓を裁ち切り、蔓に直接口をあてて飲む、ナチュラルでフルーティな味わいはワインを超える。ちなみに飲むときは枝から下がる方より地面から伸びる方に口をあてる。
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