2000.2.19号 08:30配信


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さよママのひよっこ育児日記

看病



 看という字は、「手」と「目」で出来ている。看病とはすなわち、手で触れて目で見て病気を治してやること…妊娠中読んだ本にそう書いてあった。私は大きなお腹を撫でながら、この子が病気になったら真心込めて看病してあげようと心に決めた。熱を出し寝込む子供。寝ずの看病をする優しい母親…。何て美しい光景だろう!そんな私が現実を知ったのは、娘が7カ月の時だった。

 40度近い熱。ぐったりとして元気もない。どうしよう…。育児書をひっくり返して調べたら、どうやら突発性発疹らしい。赤ちゃんが一番初めにかかる病気は大体これだとか。大した病気ではない、むしろ看病のいい勉強になる、と前述の本に書いてあった。とりあえず家で様子を見ようと決めて、いよいよ私の看病体験第一弾が始まった。とにかく熱を冷まそうと氷枕や青菜枕などを試してみるが、これで果たしていいのかわからない。実家に電話したり、何度も育児書や自然療法の本を読み返す。落ち着いて心込めて看病するはずが、オロオロするばかり…。幸い、娘は数日でいつもの元気を取り戻した。看病というものがこんなに不安でドキドキするものとは…そう思い知らされた。

 あれから二年近くが経つ。その間何度か娘は熱を出したり、体調を崩したりした。結局私は病院へ行かずに様子を見る道を選んでいる。相変わらず不安だらけで緊張するが、まず家で出来るだけのことをしてやりたいのだ。子供は正直だから、本当にしんどければ必ず態度に現れるという。大事なのはそんなSOSを見逃さず、自分の手に負える状態かどうかをきちんと判断することだと思う。

 幼い頃、熱を出した私を母は優しく面倒見てくれた。すりおろしたリンゴ、温かい卵のお粥…注射よりも、薬よりも効くものがたくさんあった。病気のせいで弱った体と心を、優しい手と目で癒してあげる。ひよっこママの私がそんな真心込もった看病が出来るようになるまで、娘よどうか待っていてね。


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