2001.3.28号 07:00配信


別れ

(紋別市社会福祉協議会:篠原辰二)


僕がこの村に始めてきたとき、生後2日目だったキリパはもう4歳。毎日、近所の同年代の子ども達と走り回り遊んでいる。マーブーガルの寮父母の間にできたタトには僕のつけた「あつし」という日本名がある。この子も4歳半になった。今回、僕等の旅はストライキで始まり予定が大幅に崩れてしまった。そのため、ベトラワティ村の滞在も僅か2日間。ほんの少しの時間しか、子ども達の成長や村人達との交流ができなかった。しかし、ベトラワティ村、そして子ども達は確実に成長している。僕が4年前にマーブーガルに訪れたとき、ここで暮らしている一人ひとりに聞き取りで夢を語ってもらったことがある。僕はそれを思いだし、今回もまた、彼等に夢を聞いた。大きくなった彼等を4年前の写真と比べてもらいたい。そして、夢を…。

ラムバハードル=ナガルコッティ(17)サッカーと勉強が好き、英語が得意で将来の夢はサッカー選手。年前と夢は変わっていない。
スリクリスナ=ネウパネ(15)頭がよいのは今も変わらず。今年からは大学に入学する予定。夢は医者になって村の人のために尽くしたい。
サントシ=アディカリ(13)病弱だった男の子は今では元気に暮らしていました。夢は医者。
スニル=ラマ(12)マーブーガル一のひょうきん者は、自ら鶏の世話役を買って出る働き者。村のサッカー大会では優秀選手として表彰もされたスポーツマン。夢はサッカー選手。
マシナ=タマン(12)花をかわいがる女の子は、料理、洗濯など寮母の手伝いを良くする子。夢は看護婦さん。
ビジェ=バニヤ(10)兄弟でマーブーガルに暮らす。弟思いは今でも健在。夢は教師。
カルパナ=タマン(10)マシナの妹。いつも身綺麗でお姉ちゃんの髪も彼女が結う。「時々ケンカもするよ」と僕に一言。夢は教師。
フクリ=ラワット(11)マシナ、カルパナと共にかしまし娘を結成か?夢はパイロットと偉大な夢の持ち主。
ススマ=ナガルコティ(10)10ヶ月前にマーブーガルの仲間入りをしたばかり。歌を歌うのが好きな女の子。「ここでの生活は楽しいよ」と言ってくれた。
ビサロ=バニヤ(9)お土産に持っていった折り紙で、いち早くカメラを作ってくれました。無表情だった男の子は愛らしい笑みを浮かべ、話をしてくれた。ラジクマル=ダンゴル(24)マーブーガルの寮夫。村一番のジョーカーマンである彼は同時に情報屋でもある。子ども達の兄貴役は今も健在。夢を聞くと、「ここの子ども達が元気であればそれで良し」とのこと。
シタ=ダンゴル(22)マーブーガルの寮母でラジクマルの妻。他のどの家庭よりも多くの家族に恵まれ、賑やかな生活をするのがとても楽しいとのこと。「自分が今がんばれば、年老いたときでも安心です」という。

僕等がカトマンドゥへ帰る日、マーブーガルの子ども達は皆、「また来てね」と日本語でお別れのあいさつをしてくれた。シタからは額に黄色と赤のティカ(煩悩)をつけ旅の安全を祈ってくれた。



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