2006.3.11号 01:00配信


平成18年第2回湧別町定例議会から

2006/03/10 Tany記録


始めまして、Tanyです。
予告どおり町議会の模様を報告します。

【第1楽章】

 朝、議会事務局に電話して、「今日の議会は何時から」とたずねると、女子職員が1時半からと教えてくれた。

 少し早めにいって町役場3階にある議会関係の施設でも拝見しようと、午後1時に3階へと向かった。すると階段を登りきらないうちにベルが鳴っている。
「えっつ!もう始まるの?」
 とにかく、ドアーの脇に大きく貼ってある「傍聴人心得」なる掲示を読み、指示に従ってコート・帽子・手袋を脱ぎ、恐る恐る傍聴者入り口のドアーを押した。

 町村議会傍聴は生まれて始めてである。
 市議会なら何度かある。道・県議会も、さらには国会も傍聴したことはある。
 でも、町村議会会場にはどんな仕掛けがあるのか、陥穽か、はたまた釣天井か、期待に胸躍らせて暗い階段を傍聴席(定員30人)へ!

「…… 黙祷!」
 と一声。
 誰かを悼んで全員黙祷している。傍聴席にご婦人が一人、やはり黙祷。慌てて黙祷に加わる。
 これが長い! 湧別の黙祷は長い! よほど大切な方に黙祷をささげているのであろう?
 やっと、
「なおれ!」
 声があって、黙祷から開放された。
 傍聴席のご婦人はそれを合図に席を立たれた。黙祷された方の奥様か?
 傍聴席には私ただ一人が残された。

 そこに展開されているのは異様な光景だった。
 木目調のきれいな議場は最近はやりだから異様ではない。
 役場職員が向い側に17人、一段高いところに議長が、その右手に町議会事務局長が、その対面に12人の町会議員が座っているのも見慣れた光景だ。
 異様なのは……
 女性が一人もいない!!!
 第2回湧別町議会は、ただ一人の傍聴人私を含めて男性ばかりで始まった。
 これを異様と言わずして……
 
 議員は全員出席のようだ。

 議長が開会を宣言、議事が始まる。

● 日程1 会議録署名議員の指名(議長)
 羽田議員と石垣議員が指名される。すでに議運で決まっていたのだろう。

● 日程2 会期の決定(議長)
 これも議運で決まっていたに違いない。3/10〜3/20までの11日間と報告了承される。
 この間、土・日が2回も含まれている。金曜日に始めて月曜日に終わるのだから! 実質7日間の会期に過ぎない。なぜ、こんな会期になるのか? だれかおせーて!

● 日程3 諸般の報告(事務局長)
 12/28から今日までの議長と議員の動静の報告。
 このあたりから、傍聴人は辛くなる。手元に資料がないのだから、早口で読み上げる報告についてゆけない。一枚刷りの報告書くらい、傍聴人にサービスしてもいいのではないか?と恨めしくなる。
 1/20、2/17に町議会の全員協議会が、2/21に議会運営委員会、第1回町議会臨時会が、3/6に議会運営委員会がこの間開かれていたことが分かった。これらの会議で、本日からのお膳立てはすっかり用意されていた様子が分かる。
 また、両湧別給食組合臨時総会、消防団出初式、成人式、市町村合併推進説明会(於網走)、ニュージーランド相互交流事業中学生・高校生派遣出発式、道会議員石井弘一氏を囲む会(於遠軽)、第30回町民卓球・バレーボール大会、網走支庁管内市町村議会議長(於留辺蘂)などなどに、議長または議員の先生方は忙しく出席されていたようだ。ご苦労様でした。

●日程4 行政報告(町長)
 農業改良普及センターがまたまた改組されて、本所14、支所34、分室5となる。網走支庁管内には、北見市に網走地区改良普及センター、遠軽・紋別・美幌・網走・清里に支所が設置される。湧別支所は遠軽支所湧別分室となり、定員が1名減になると報告。
 改良普及センターは道の所管であるから、市町村に権限はない。次第に定員が削られ、予算が縮小されていく農業改良普及事業! 座して見守るのみか?日本の食料基地と自称する北海道が、これでよいのだろうか?
 と言っても、日本の農業改良普及事業はすでに命運が尽きている! 抜本的大改革が必要なのに、国の予算に頼っているこの事業は道が勝手に変更できない。道州制北海道特区になってもできないだろうなぁー。だって、生産現場の農家を指導するだけの農業技術屋が育っていないのが改良普及事業の実態なのだから!

●日程5 教育行政報告(教育長)
 湧別小学校のアスベスト天井。最近(2/18)の調査によると、1リットル当たり0.9、1.0、1.0、1.1本となり、前回調査より少なくなっている。国の安全基準は10本/リットルだから安全基準内。第1回町議会臨時会で決定した予算によって、夏休み内に改修工事を行う予定という。
 第21回ウルトラ100kmマラソンは6/25に行うと報告。でも、この日程ずいぶん前からインターネットに掲載されていたけど……。負担金は湧別、佐呂間が300万円、北見市が500万円と決定したそうだ。

●日程6 提出議案要旨説明(総務課長)
 会期中の議案1〜54号、同意1〜2号の概要説明あるも、手元に一覧表がないので傍聴人にはトント理解できず、これまた、一枚刷りにして配布の便宜を図ってもらえないものかと恨めしい。

●日程7 議案第1号 平成17年度一般会計補正予算(税財課長)
 当初予算 4,525,408(千円)が75,614(千円)減少して4,449,789(千円)となる。その理由をこまごまと課長が説明する。減少したと言ってもたかだか1.7%程度。あまり節約していないなぁー。もっと節約できないものか、と傍聴人は唖然とする。
 それにしても膨大な資料を次々にめくらせて、逐一こまごま説明するには参った。
 何の資料もない傍聴人はただただウロウロするのみ。仕方なく議員席に目をやると、丁寧に議案書、資料別冊をフォローしているのは2/3ほど。ほとんど、議案書を見ない議員もいる。居眠りしないだけマシか? その議案書チョット貸してくれませんかと言いたい。
 せめて要旨だけでも配布してくれると、傍聴人は助かるのにね。
 と、役場職員席を見ると、やはりまったく議案書を開いたままにしている方がいる。ウーン! おぬしナカナカやるのー!総て分かっているといった面持ちだもん!
 
 13:50頃、突然議長が15分間の休憩を宣言。休憩に入る。
 議員が引き上げるさい、ジロジロとこちらを見る。傍聴人が珍しいのか?

【休憩】

 議場から出てみると、傍聴人入り口ドアーの脇に、傍聴人署名ノートが置いてあった。早速記名。この議会は、署名さえすれば誰でも傍聴できるようだ。

 署名ノートで過去の傍聴人数をカウントしてみた。

平成17年第3回定例 3/9……6、3/10……2、3/14……33、3/15……2
第4回定例 6/16……3 6/17……5
第5回定例 第6回定例 データなし
第7回定例 9/27……5 9/28……5 9/29……0
第8回定例 データなし
第9回定例 12/19……1 12/20……1 12/21……0 12/22……0
平成18年第1回臨時 2/21……0
第2回定例 3/10……1
と、マァーこんなところ。人口5000人の町としては、全国平均的な傍聴者数でしょうね。昨年3月、異常に人数が多いのは挫折した町村合併のせいか? 議会、町長が合併賛成だったのに、住民投票で否決されたのだから。

 署名ノートの上方に、本日の日程が貼ってあった。のどから手が出るほどほしい資料だ。はがして持っていこうかと思ったがやめた。過激すぎる!
 はがさなくてよかった!
 後で議場に入ってよく見ると、傍聴席前方の手すりの下に同じものが貼ってあった。暗くて分からなかったのだ!

 また、入り口ドアーの反対側にソファーがある。その前の卓上には一切の書類、議案書、関連資料、これから採択するであろう国に対する請願書などがおいてあるではないか!
ここで見ていけというのだ。そばには置き紙があって、曰く「持ち出したりコピーしたりしてはいけません」だって! ノートを持ち込んで、ハンドスキャナーでとってもいけないのだろうなぁー、ため息が出る。
 中をシッカリ読みたい!でも明日は土曜日だ。そして当然明後日は日曜日。
 閉庁している!
 どうやって読めばよいのだ。せめて、せめて会期中は議案書と関連資料を図書館にも置いてくれないかね。そうすれば、読みたい人はユックリ読める。読みたい人間は目下たったひとりだけど。
 大体、町立図書館に町議会の議案書、議事録が置いてないなんて、おかしいのではあ〜りませんか? 何のための町立図書館?
 とか何とか考えているうちに15分経ってしまった。
(2006/03/10 前半)

つづき




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