2006.3.14号 10:00配信
【序幕】たくさんの傍聴者! 昨日に懲りて、早めに出かける。8:45に到着した。 早速3Fロビーで本日の議題をメモ、メモ! 9:15頃、傍聴者第1(2?)号が到着。挨拶を交わす。Sさん(74歳)だ。前回の選挙まで6期(24年間!)も続けて町会議員をやっていた大ベテラン。登栄床地区で漁業をやっている方である。 直前になって続々と傍聴者が現れる。本日は傍聴者大盛況の湧別町議会! 素晴らしいぞ、これは! 【第1幕】牛乳加工場の誘致と子育て支援の関連 ● 日程1 会議録署名議員の指名(議長) 8広田議員と9村川議員が指名される。どうやら議員番号順に、持ち回り指名らしい。 ● 日程2 平成18年度町政執行方針(町長) 就任4年目の町長は、平成18年度を仕上げの年と定め、町政全般について詳細に、経過報告しながら、次年度の方針を語っていく。 と言っても、町政執行方針は印刷物になっていて、町長は読み上げているのだ。町長がぺージをめくると、ひな壇の職員もこちら側の議員もいっせいにぺージをめくる。傍聴者はその朗読を聞かされている。 ここでは町政執行方針の詳細を掲載しない。議事録を見ると用が足りるから…… と言って、完全メモを作れなかった言い訳にしておこう。 10:00現在、町民傍聴者10名、記者席に2名。 記者席の2名は第1日目にも来ていた。最初の休憩が終わると姿を消したから、私は一般職員と勘違い。本日は午前中ズーッと記者さんは傍聴していた。 町民は中・老の男性ばかり。職員側も紅一点の出納室長は出席されていない。したがって、湧別町議会は男性一色。湧別町って男性しか住んでいないのって言われそう! ウーン! 町長が町政執行方針を読み終えた10:25頃、そのまま一般質問になだれ込んだ。 ● 一般質問 [村川議員] @牛乳加工場の誘致、A子育て支援課の支援ビジョンについて (村川議員、最初はひな壇に向う演台で質問、それに対して町長が議長席下の演台で回答。その後は、各自の座席でマイクに向って話す。この形式は、この後総ての一般質問に共通した。) 村川議員: @ 酪農は13年ぶりに生産調整に入った。管内57万トンの生産のうち40万トンは管内で加工しているが、17万トンは管外加工である。ホクレンを中心に加工設立の話があるが、企業誘致についてどう考えるか? A 子育て支援課をつくり熱意は見えるが、支援ビジョンは見えていない。ビジョンについて具体的な見解を? 町長:@ 北見管内にチーズ工場設立の話がある。しかし、湧別町には誘致に対する具体的条件がない 村川:残念だ。加工場は100名の雇用を生むと言う。興部町、紋別市が熱心に誘致しているが。 具体的条件とは何か。誘致に要する財政負担はどのくらいか? 町長:病院誘致、地方交付税の減少などがある。誘致にはそれなりの条件を出さなければならない。興部、紋別はそれなりの施設がすでに現在存在しており、湧別町はまったくない。 村川:町政執行方針では精一杯産業の育成をうたっているが、企業誘致についても前向きの方向で検討しなくてもよいのか?再答弁を求む。 町長:諸懸案を確実に処理していきたい。誘致に対する活動、町としてはその段階にない。 議長:話がかみ合わないときは仕方ないですよ。 村川:町長の考え方には納得できない。企業誘致は関連が大きい。町経済に大きなインパクトを与える。企業は待っていてはやってこない。 町長: A子育て支援について。新湧別保育所では、一時・短期保育も行っていく。保育所内に設置する子育て支援センターでは子育て講座などを開講する。図書館に併設されている児童館では、子供の交流を図る。地域の方々、育成協議会などと一体化して取り組んでいく。 村川:経験豊かな町民人材の活用を図ってほしい。また、福島県矢祭町の根本町長の話を聞く機会があったが、行財政改革に伴って、子供手当てを増額し保育料などの低減を図っている。一方では企業誘致にも成功している。せっかく育てた人材が流出しては意味がない。企業誘致などで、地元に仕事が必要だ。思い切った政策が必要! 町長:子供育成の支援はシッカリやっていく。 村川:町長の思いは理解する。子供の育成、働く場所とは一貫している。町の人口減を防ぎたい。湧別町独自にでもやると言う信念を持ってほしい。 町長:たしかに子育て支援、働き場所はリンクしている。真剣に考えて行きたい。 10:45、傍聴者11名+記者2名。 議長:11:00まで休憩! 【幕間】 本日の3Fロビーはにぎやかだ。 その中に三澤氏(75)の顔があった。お祖父さんの代からの酪農家。三澤さんから見せていただいた文書を、氏の許可を得て以下に引用する。町議会で行われた審議に関連があるので…… ()はTanyの補注である。 ********************************** 負の6号線 湧別町民は医療機関がなくて困っている。今、共同出資で病院を6号線に建てようとしている。 現実は、相変わらず湧別町民は無医村の最中にあるということである。 共同の美名に隠れて、(中湧別が)医を独占しようとしていることは誰が見ても明白である。 他人のフンドシで相撲をとるがごとき手法での(中湧別の)病院独占はエゴの最たるもので、仲間とはなりがたい。 湧別は、独特の産業である海の加工産業の町内集中育成事業を実行すべきときである。海産業従事者のことを考えた病院位置にすべき! もし6号線建設が実行されると、中湧別に対する反感はうずを巻き、反感感情は永久に残るだろう。 上湧別市街町民が誇りにしている床田先生の意思は「地域医療のあり方」を現実にしたものだったと思う。今、大きく湧別原野の医の点在するあり方を考えると、湧別市街区に建設することは床田先生の意にかなうものと思える。上湧別市街町民も支持しうるものと思う。 三澤 敬一 * *************************** この文書は何人かの町会議員にもお見せになったようだ。 湧別町民の思いのこもった文書である。と、いっても町外の方々にはチンプンカンプンであろう。事情を説明しよう。 昨年高野医院が廃業してから湧別市街地に医院がなくなった。 5kmはなれた上湧別町中湧別地区にはJA厚生病院と私立曾我病院がある。さらに5kmはなれた上湧別町上湧別地区には病院がない。かつて、この地区にJAの厚生病院があったのだが、中湧別地区に移転している。 中湧別地区にあるJAの厚生病院の建物が古くなり改築の時期を迎えた。上湧別1町では財政負担が重く、湧別町と共同で財政負担をしようと、相談が始まっている。改築移転場所の候補地が6号線。湧別市街と中湧別市街の中間点である。ほとんど民家のない地区だ。 【第2幕】 6号線に厚生病院! 11:00、幕が開く [羽田議員]農業後継者の結婚対策について 羽田: 京都交流会は25年続いているが参加者が減少してきている。農業実習生の来町も減少している。新たな対策が必要ではないか? 町長: 京都市役所の協力で56年から実施している京都交流会で参加男性が減少しているのは、独身農業経営者の減少、経営の担い手で参加しづらい、周りの目などが主要原因。25年間で成婚は43組。今後も、JAと相談して、参加男性を確保していきたい。 農業実習生の場合は、JAが主体であるが、この11年間に61名を受け入れ、9名が結婚して湧別町に残ってくれている。滞在施設を充実していきたい。 羽田:前向きの取り組み、了承した。参加者が減少するのを防ぐには、若い感覚で自主運営に任せてはいかがか? 町長:提案をいかしていきたい。よろしくお願いします。 [広田議員]6号線に建設する病院について 広田: 両湧検討委員会の詳細が伝わってこない。12/08の報道によると、病院は湧別町と上湧別町の町境6号線に建築されると言う。検討結果を聞きたい。 場所、規模、診療科目、工費、付帯住宅、町民の希望の取り入れ方、費用負担割合、赤字負担割合などについて知りたい。 町長: 両湧検討委員会は8/23に設置、以後3回会合を持った。 上湧別一町だけでは改築負担が困難。上湧別、湧別共用として、6号線に建築と予定。規模は現在規模。診療科目は町政懇談会などで意見を聞きたい。経費試算では24億円ほどかかる。 町民の希望はまだ聞いていないが、今後聞き、その結果はJA厚生連にもあげていきたい。 費用の負担区分はまだ検討されていない。 広田: 場所は決定ではないのか? 03/06の建設新聞では、武田厚生連会長が湧別町・上湧別町の合併問題もあり、早急に決めたいと話している。湧別住民としては2号線、または4号線に設置を求めている。なし崩しでは困る。6号線に建設すると、診療科目によっては赤字も必死だ。通院も問題だ。 医師が頻繁に交代するのも問題。赤字の原因になる。 介護型患者の入院が保障されるのか? 問題が多い。 町長: (助役、保険課長で論点整理する)場所は6号線付近、これが協議の基本だ。診療科目は現在科目+新科目を週何日か取り込む。足の確保は今後の課題にしたい。医師の常駐体制は厚生連と交渉していきたい。入院施設は、介護の部分についてはこれまでの形態をとるようにする。検討委員会の協議結果は今後広報していきたい。 広田: 24億の中に医師・看護師の住宅も含まれているのか? 設置場所は、4号線までだ。6号線では通院のついでの買い物もできなくなる。赤字にならないように、医師の常駐、救急にも対応してほしい。湧別町の病院として設置してほしい。 町長: 住宅は含まれている。湧別町の病院と言うよりは、両町の病院だ、湧別町病院としても、両町の病院として話を進める。赤字にならないようにシッカリやっていきたい。 要旨、以上のような論議が交わされたが、町側の広報不足が目立つ。 上湧別町との協議が一段落してから広報したい町側の方策も理解できるが、さまざまな情報が交叉して町議まで疑心暗鬼になっている。住民注目の事業だ。協議の進展につれてよどみなく広報していったほうが、町民の意思を集約しやすいであろう。 町民の意思を反映させなければ、どんな事業も成功はおぼつかない。 [鈴木議員]町内全域でADSL回線使用の必要性について、定住促進住宅建設奨励補助事業について 鈴木: @ 湧別市街地のADSL化は完了した。湧別町全体にADSL化できるよう、関係機関と交渉してほしい。 A 定住促進住宅で、地元業者育成と言った見地から、助成金額が少ないと思うが。 町長: @ADSL交換機局の設置には4km以内に200件の利用者という条件がある。無線では採算が取れないそうだ。2011には地上波がディジタル化する。そのさいの助成事業としても考えられる。 鈴木:湧別市街地区のADSL化は、平成11年以来町民の手で行った。湧別町全体のADSL化は目地として積極的に取り組むべきだ。できるところから町でやってほしい。 町長:町としてもNTTに要望していきたい。4km以内に100個程度でも開局するように要望していく。 12:00、ここで休憩! (午後に続く) |