2002.1.15号 07:00配信
数日前テレビでやっていた番組で、イギリスの暴力もあるような崩壊した小学校を、5年で建て直して成績優習校にまでした若い女の校長先生の話を紹介していた。その学校は6学年で15クラス、1クラスの人数は25人で、先生が23人いるそうである。改革の1番は、まず教師のほとんどを優秀な人材に入れ替えたこと。これは人事など、学校を運営するにあたっての多くを校長に決定権があることに基づくものである。またTA(ティーチングアシスタント)とよばれる先生が18人いて普段の授業の補助をしている。またLSA(ラーニングサポートアシスタント)とよばれるお手伝いが12人いることで、障害のある10人の子ども達がみんなと一緒に学ぶことができる。またこれらの多くが父母でもある。その上、メンターとよばれる数人の存在があり、彼らは主に子ども達のメンタルな面の世話をするので、一般の教師は教科の指導に専念することができる。メンターは問題のある子と仲良くなり、色々な話を聞くことで解決の糸口を見い出していくのである。 一番おもしろいと思ったのは、学校と家庭とは契約書を結ぶという話であった。それは「子どもを早く寝かせて下さい。」とか「宿題は親が一緒に見てあげて下さい。」というたぐいのもので、これによって親の目を学校に向けることに成功したそうである。また校長は教師の授業の様子を細かくチェックし、必要ならば指導も怠らない。授業をおもしろく行うこと、授業に子どもが参加することを最重要に揚げている。イギリスは共通の指導要領がないので、個々の教師の工夫と力量が何よりも大切なのである。このことは、国や場所によらず、どこであっても学校には必要不可欠な課題であることを再認識した。 ともあれ、この校長の前向きな、常にチャレンジ精神旺盛な姿勢に感服する。半分成功すれば良しとして、どんどん新しい試みに挑戦しているらしい。すべてを真似できないにしても、いいところはできるだけ取り入れられたらいいと思った。そんなに突飛なことをした訳ではない。当たり前のことを普通に実行しているだけのことが、大きな成果を上げたとも言える。日本の学校も、どんどん変わっていって欲しいと思った。 |