2002.1.16号 07:00配信
町のナイタースキー教室が始まった。小学生から中高生、大人までそれぞれの練習に励む。小さい子はスキーを初めてはく子もいるようだ。子どもに立派なウェアーと立派なスキーとを買い与えて教室に預ける。これが最近の子どものスキー事情だが、わたしが子育てした頃は違った。スキーが当たったら、まず靴をはく練習から始まって、最初は家の周りを歩くことからやったものだ。歩けたら横に移動、そうして坂を登ることを覚え、初めてスキー場デビューとなるのであった。それが近ごろの子は最初から教室行きなので、担当する先生が大変である。親はと言えばロッジで先生の苦労する様をただ見ているのである。なんか変じゃない?スキーの技術がなくても自分が滑れなくてもわが子の始めてのスキーは教えることができるのではないだろうか。 わたしの時はスキーへ行きたい子どもを連れていき、またの間にはさんで滑らせたものだった。あまり自慢にはならないが、下の赤ん坊をおぶってまでやったことがある。わたし自身は大して滑れなかった。そうして坂の下を子どもと行ったり来たりしている横を、さっそうと上から滑りおりる人に憧れを持ち、やがては大きくなった子どもと一緒にスキー教室で教えてもらうようになったのだ。 昨夜もスキー教室をやっている隣で自分の子どもに一生懸命教えているお父さんもいた。いい姿だと思った。子どものスキーは難しい技術を教えなくても、スピードさえコントロールできるようにさえなれば、後は自分で何度も滑るうちに自然と覚えることも多いものである。せめて靴やスキーを自分ではいて、雪の上をあちこち歩いて、もひとつ言えば坂をスキーで登れるようになるまでくらいはお父さんお母さんに教えてもらってもいいのではないかと思うのである。それもひょっとしたら「スキーは教室に入れたらできるようになるよ。」という情報しか今はないせいかもしれない。「スキーの初めは家の周りを歩かせてみよう。」と言ってくれる存在が必要ななのかもとも思い、ひとり思い悩んだ夜であった。 |