2002.1.18号 07:00配信
先日お会いしたソプラノ歌手から意外な言葉を耳にした。あれだけきれいな声で上手に歌う人が、「歌はうまい下手じゃない、いかに楽しく歌うかだ。」と言うのだ。これは大切な言葉だと思う。 人はみな、歌う楽しさをもともとは持っていると思う。それがいつしかうまいとか下手という言葉で評価され、楽しさを消されてしまって、歌うことを好きでなくしてしまっているのだ。これはある種の悪とも言いたいと思う。歌だけでないかもしれない。絵を書くことも勉強することも、上手だとかできるできないという見方が先行すると、楽しさがなくなりつまらなくなる。もっと楽しめるよう工夫しようではないか。 歌うこと、それは楽しいものだ。自分の声で奏でる音楽を大切にしたい。そう言えば前述の歌手の方が、歌うことを「演奏する」と言い表わしていたこともおもしろかった。自分の体を楽器として演奏するのだろうか。いつも楽しく歌える人でありたい。その楽しさを、多くの人と分かち合えるような暮らしをしたいと思う。歌うことを大事にしてゆきたい。 |