2001.10.9号 07:00配信
今回は、最近の制作について書こうと思います。 知人の紹介でお会いした、都内某所にあるお店のオーナーの要望で、そのお店の商品にする裂き織のマフラーを織ることになりました。 裂き織というのは、着古した着物や服などを裂いてひも状にしたものを緯糸にして織り込んだものをいいます。通常は、野良着や敷物などにするのですが、今回は柔らかく軽いマフラーにするということで、私にとって裂き織りのイメージを変える新しい出発点となりました。 布にはさみを入れることがほとんどなかった私にとって、たとえそれが古い布であっても、始めはかなり抵抗がありましたが、最近やっと切り刻む楽しさ(?)にも目覚めてきました。経糸には、いろいろな色や種類の違う絹や細いウールの糸を使い、緯糸に裂いた布と絹などの細い糸を交互に織り込んでいきます。色糸のバランスに加えて、着物の柄や色がいきるように気をつけながら織っていきます。色や柄のでかたが予想できない反面、意外なおもしろさや新鮮な発見のある楽しい作業です。 日本古来の究極のリサイクル、裂き織。古い布を新しい姿に生まれ変わらせるこのサキオリマフラーの制作で、これからどんな作品ができるか、思考錯誤しながらさらに続けてみたいと思います。 |
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佐藤千織08/10/01 |