2000.8.6号 06:00配信


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織物作家・佐藤千織さんのコーナー
千織の織物工房
Chiori Sato Textile Workshop


・フィンランド<夏の風景3・夏至の季節>

フィンランドでは、毎年6月21日は1年で1番日の長い日です。白夜とよばれる、真夜中でも明るく、1日中太陽のほとんど沈まない季節です。私が初めてこの白夜を体験したのは10年以上前になりますが、夜の10時でも太陽が照っている光景は、なんだか不思議な感覚でした。フィンランドの人たちは、暗くて寒い冬のあいだずっと待ち焦がれていたこの夏の太陽を楽しむために、昼間はもちろんのこと、夜遅くまで外でビールを飲んだり、お茶したり、乳母車を押す家族の姿まで見ることができます。1日が長く感じられるこの季節、ちょっと得した気分になります。みんな、寝る暇を惜しんで夏を楽しみます。

夕日
私は今回の滞在では、ミッケリという街の近くに住む友人の家で夏至の日を迎えました。湖畔に建っている家なので、すぐに湖。しかもまわりは森。うらやましい環境です。


サウナへ!
夏至の夜は、もちろんサウナです。薪で焚くサウナは、木の香りがして熱さも心地良いのです。近くの森で採ってきた、白樺の枝を束ねたもの(写真)で身体をピシピシ叩きながら温まると、さらに気持ち良い!肩こりや、むくみなどをとってくれるそうです。白樺の葉の香りを思いっきり吸い込むと、とーってもリラックスできます。

白夜
真夜中の湖は、本当に静かで、風が無く水面が鏡のように見えます。サウナのあいまに、この湖へ。真夜中のこの静かな湖の中にただよっていると、なんだか湖の魚になったような気分です。


ユハンヌス
夏至のお祭りでは、各地でボンファイヤー(Kokko)が見られます。この時に、古くなって使えなくなった船も燃やしたりするそうです。そして、女のコたちはこの日7種類の野の花を摘んで、この夏至の晩に枕の下にその花を置いて寝ると、将来の結婚相手が夢にでてくるとか、真夜中に鏡の後ろに姿が写るとか言われています。ちょっとロマンチック。

この「Kokko」が、夏のピーク。これから少しずつ日が短くなってきて、ちょっとずつ秋へと季節は移ってゆくのです。

佐藤 千織 05/08/00



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